2024年のJリーグを沸かせたのは誰か? 活躍が目立った選手を福田正博が評価 (3ページ目)
【ベスト11以外にも活躍した選手たちが多い】
今回はベストイレブンに選ばれなかったものの、受賞していても不思議ではない選手は数多くいた。
まずは鹿島のFW鈴木優磨だ。Jリーグでは別格の存在感を放っている。今季はキャリアハイの15得点を決めたが、彼の仕事場はゴール前だけではなかった。もし彼がゴール前での仕事に専念できるメンバーが加われば、もっと多くの得点を期待できるはずだ。
夏場に広島に加入したMFトルガイ・アルスランは、14試合8得点で優勝争いの原動力になった。京都のラファエル・エリアスは、7月に加入して15試合11得点で残留に大きく貢献。この2選手がシーズン最初からJリーグでプレーしていたら、ベストイレブンに名を連ねていた可能性は高いだろう。
広島では中野就斗もよかった。3バックの右CBでリーグ戦全38試合にスタメン出場し、守備はもちろんのこと攻撃でも5得点とアピールした。川崎フロンターレではDF高井幸大がノミネートされたが、FWの山田新にとってもすばらしいシーズンとなった。序盤戦は途中出場が多かったが、6月からはスタメンに定着。リーグ3位となる19ゴールを決めた。高井と山田は、来季攻守の柱としてさらなる活躍を期待している。
その山田と同じく日本人最多となる19ゴールを決めたジャーメイン良(ジュビロ磐田)にとっても飛躍のシーズンになった。2018年に流通経済大からベガルタ仙台に進み、横浜FC、磐田と渡り歩き、ときにはサイドハーフで起用されたこともあったが、29歳にしてようやくセンターフォワードとして開花した。開幕2戦目の川崎戦では1試合4得点をマーク。J2に降格する磐田からチームでただひとり、ベストイレブンにノミネートされる活躍だった。
来季どんな選手が各ポジションの"シーズンの顔"となる活躍を見せてくれるのか。若手からベテランまで、ひとりでも多くの選手が躍動するシーズンになることを期待している。
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
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