ダビド・シルバやカカなど欧州サッカーのレジェンドたちが日本に集結 元日本代表たちを相手に華麗なプレーで魅了 (3ページ目)
後半は一転して、Jクラシックが攻勢に出た。太田と柏木、現役引退から時間がそれほど経っていない2人を起点に、左サイドからチャンスメイク。太田、李、大久保が立て続けにゴールを叩き込んだ。
運動量が落ちてきたワールドクラシックは万事休すかと思われたが、カカの20m近いグラウンダーのロングスルーパスが流れを変えた。オフサイドラインギリギリに走り込んだサビオラが、左足を振り抜き同点に追いつく。さらに、カカを起点にゴール前でフリーになったシルバが鋭い切り替えしをみせ、プレゼントパス。トレセゲが右足で押し込んで逆転した。一連の流れは非常に美しく、シルバには会場から大きな拍手が送られた。
【いまだ色あせない高い技術】
レジェンドたちには往年のスピード感はなく、華麗なドリブルで抜き去る、という派手なシーンは試合を通してほぼ見られなかった。一方で、「ボールを止めて蹴る」という技術は恐ろしく正確だった。トラップの際のボールの置きどころや体の向き、うまく腕を使った体の使い方、スペースがなくてもあっさりターンする、といった根幹技術は、体に染みついたものなのだろう。
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筆者はこれまで、レジェンドたちに何度か取材する機会があったが、「ボールは疲れない。だから早く動かす」「正しいポジショニングで正しいプレー選択をする」ことの重要性を何度も聞いた。年齢を重ね、フィジカル面での衰えはあるなかで、その言葉の意味を自らのプレーで表現し、日本のファンに見せてくれた気がしている。
3得点に絡んだシルバの活躍もあり、試合は4対3でワールド・レジェンズが勝利した。会場では誰もが"シルバ劇場"に目を奪われていた。観客席から「まだ現役でプレーできるんじゃないか」という声が上がっていたのも大袈裟ではない。試合後にはJクラシックの選手たちも、「マジでうまいです。半端ない」と本音をこぼした。
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