青森山田に敗れ続けてもまだ挑む 高校サッカー八戸学院野辺地西の冒険「ふり向くな、君は美しい」 (4ページ目)
【絶対王者を倒すための戦いはずっと続く】
「子どもたちを国立競技場で行進させられれば、また劇的にいろいろなものが変わるんでしょうけど、まず山田にひとつ勝たないことには何も始まらないと思っています。でも、地道にやるしかないのかなとは、昨日の決勝を見ても思いますよね。近道はないので、ずっとやり続けていくしかないのかなと」
そう話した三上監督は、この日の練習後も県内の2つの中学校に赴き、進学を希望している中学生に会うという。「今月末には修学旅行で京都と大阪に行ってきます。もうユニバーサルスタジオも6回目ですよ(笑)。この20年間もあっという間でしたし、1日もあっという間に終わりますし、まともに休めることはほとんどないですけど、やっぱりサッカーが好きですからね」。そんな言葉と笑顔を残して、アクセルを踏み込んだ指揮官の車は山あいの道へと消えていった。
11月11日。県新人大会決勝。八戸学院野辺地西は青森山田に0-1で敗れた。新チームもまずは悔しい負けからスタートを切る格好となったが、青森の高校サッカー界に身を置く限り、絶対王者を倒すための彼らの戦いは、これからもずっと、ずっと、続いていく。
(おわり)
著者プロフィール
土屋雅史 (つちや・まさし)
1979年生まれ。群馬県出身。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。近著に「高校サッカー 新時代を戦う監督たち」(東洋館出版)
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