アルビレックス新潟、初のタイトル獲得なるか!? J1初昇格の「目撃者」だった選手の誓い (2ページ目)
それどころか、「その前の何年か、ギリギリで(J1に)上がれず、悔しい思いをしているのも見ていた」という早川は、「そういう歴史のなかで、反骨心じゃないですけど、何かそういうものが新潟のサッカーにはきっとあると、僕は思っている」と言い、こう続ける。
「サッカー不毛の地って言われていた新潟で、そこからいろんな人たちが一個一個歴史を積み重ねてきてくれたからこそ、今こうやって僕たちにチャンスがあるわけで。そこに対して、やっぱり新潟出身の選手として、本当に自分の持っている力というか、できるものを全部出しきりたいなっていうのはあります」
今季ルヴァンカップで新潟が見せた快進撃は、痛快なものだった。
準々決勝ではJ1リーグで首位を走っていた町田ゼルビアを1勝1敗ながら2戦合計スコア5-2で下すと、準決勝は川崎フロンターレに2連勝。それも2戦合計スコアで6-1と圧倒した。初の決勝進出とはいえ、堂々たる勝ち上がりである。
過去J1リーグでの最高順位が6位の新潟は、天皇杯でも決勝進出の経験はなく、つまり、これに勝てば優勝という試合に臨むこと自体が初めてとなる。
新潟がルヴァンカップで決勝進出を決めて以降、上越新幹線の臨時便や新潟発のバスツアーが発売からほどなく満席になったなど、景気のいいニュースが次々に伝わってくるのも不思議なことではないのだろう。早川が語る。
「ルヴァンの決勝で、クラブとしての新しい歴史をまた塗り替えられるというか、"星"をつけられるチャンスがあるのは本当にうれしいことなので、みんなで手にしたい。いろんな人が積み重ねてくれてきた歴史の上に、また新たなページを記したいなっていう思いはあります」
ただしその一方で、ようやくたどりついた晴れの舞台も、新潟には多少なりとも集中しにくい事情があるのは確かである。
というのも、新潟は終盤戦を迎えているJ1リーグでは16位に沈んでおり、J2降格圏となる18位とは勝ち点5差。ルヴァンカップ決勝前最後の試合となったJ1第35節でも東京ヴェルディに0-2の完敗を喫したのをはじめ、最近6試合で勝利なし(5敗1分け)と、厳しい状況が続いているからだ。
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