J1リーグ残り5節、栄冠を手にするのは広島か、神戸か、それとも町田か (3ページ目)
広島が優勝するのが一番美しい
選手が躍動し、最高の舞台で戦っている
小宮良之(スポーツライター)
優勝:サンフレッチェ広島
シーズン開幕前の順位予想、個人的には"希望順位"という体で出している。それほど、順位予想を信用していないのだが......。
ここまでの戦いを振り返って、「優勝にふさわしいのは」と聞かれたら、「サンフレッチェ広島」と答えるだろう。別に、ヴィッセル神戸やFC町田ゼルビアがふさわしくない、と言っているのではない。ふさわしいのは? と聞かれたら、の答えだ。
なぜなら、広島が優勝するのが一番美しい。
ひとつは、ミヒャエル・スキッベ監督はミハイロ・ペトロヴィッチ監督(北海道コンサドーレ札幌)と並び、今シーズンのJリーグで最も「プレーコンセプトを感じる」指導者と言える。ディテールのミスなどいくらでもあるが、どういうサッカーを志向しているのか、が伝わってくる。
そして監督のコンセプトのなか、選手たちが躍動している。単純に「サッカーがうまくなっている」というのか。FW大橋祐紀(ブラックバーン)、MF川村拓夢(ザルツブルク)というふたりの主力をシーズン途中の移籍で失っても、これだけ勝ち点を稼げているのは、チーム力の証明だろう。MFトルガイ・アルスラン、FWゴンサロ・パシエンシア、MF川辺駿の獲得も成功だった。
最後に、今シーズンからお披露目したエディオンピースウイング広島は"優勝にふさわしい"決定打と言える。市内の中心にそびえ、専用スタジアムとして活気、熱気を増幅させる。以前のスタジアムは市内から遠く離れていたし、陸上スタジアムだっただけに......。
広島は、監督、選手がコンセプトを体現し、最高の舞台で戦っている。もちろんシーズンの最後に、ACLを並行して戦う不利はあるだろう。しかし、"優勝にふさわしい"のは広島だ。
フォトギャラリーを見る
3 / 3