稲本潤一&今野泰幸――日本を代表するボランチふたりはなぜ、地域リーグの南葛SC入りを決めたのか (4ページ目)
稲本 南葛の練習環境はこのカテゴリーでは恵まれているほうなので、風間さんのサッカーに不可欠な、ボールをつなぐことひとつとっても、練習ではみんなしっかり成長できていると思うんです。でも試合になったら、話が別というか......正直、さっき言ったようなグラウンドの問題とか、環境に影響を受けるところもすごく多い。
あと"関東"というのも大変です。他の地域を見ていると、比較的、同じような顔ぶれがリーグ戦を戦って、地域CLに出場している印象ですけど、関東は地域CLを目指すチーム数が異常に多いので。
さっき、今ちゃんが話した全社の関東予選では、僕らはSHIBUYA CITY FCに負けたんですけど、彼らは東京都社会人サッカーリーグ1部のチームで、言うなれば自分たちよりカテゴリーは下なんです。でも、全社に出場できる力があるということですから。カテゴリーによるチーム力の差はほとんどないなかで、勝ち抜く難しさもあると思います。
ただ逆に、このリーグを勝ち抜くことさえできれば......たとえば、2022年にJFLに昇格を決めたブリオベッカ浦安(2022年の関東リーグ1部では6位だったが、全社で優勝。地域CLも制してJFL昇格)が昨年のJFLで2位になったことからも、ある程度戦える気はするので、とにかくJFL昇格が最大の難関です。
(つづく)◆稲本潤一と今野泰幸が語る、風間八宏監督のサッカー>>
稲本潤一(いなもと・じゅんいち)
1979年9月18日生まれ。大阪府出身。1997年、ガンバ大阪の下部組織からトップチームに昇格。若くしてチームの中心選手として奮闘した。そして2001年、アーセナルへ移籍。以降、フラム、WBA、カーディフ、ガラタサライ、フランクフルト、レンヌでプレーし、2010年に帰国。川崎フロンターレに加入した。その後、北海道コンサドーレ札幌、SC相模原に在籍し、2022年に南葛SC入り。その間、日本代表でも活躍。世代別代表では、1995年U-17世界選手権(現U-17W杯)、1999年ワールドユース(現U-20W杯)、2000年シドニー五輪に出場。A代表では、2002年、2006年、2010年と3大会連続でW杯に出場した。国際Aマッチ出場82試合、5得点。
今野泰幸(こんの・やすゆき)
1983年1月25日生まれ。宮城県出身。東北高卒業後、北海道コンサドーレ札幌入り。1年目から出場機会を得て、2年目にはチームの主軸として存在感を示す。2004年にFC東京に完全移籍。ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)、天皇杯などの栄冠獲得に力を発揮した。そして2012年、ガンバ大阪へ移籍。2014年のリーグ制覇をはじめ、数々のタイトル獲得に貢献した。その後、2019年夏、ジュビロ磐田へ移籍。2022年に南葛SCに加入した。日本代表でも常に中軸として活躍。世代別代表では2003年ワールドユース(現U-20W杯)、2004年アテネ五輪に出場。A代表でも、2010年、2014年とW杯に2度出場した。国際Aマッチ出場93試合、4得点
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