日本代表への招集は? J1得点ランクトップ、ジャーメイン良が覚醒した理由 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

「29歳という年齢がネック。次のW杯を考えると、もっと若い選手を......」

 そんな意見もあるかもしれない。

 しかし過去に、日本人FWの多くは30歳前後でキャリアハイを記録している(中山雅史、佐藤寿人、大久保嘉人、小林悠、興梠慎三、豊田陽平など)。外国人FWに比べて、遅咲きの傾向があるのだろう。若いうちに頭角を現し、一気に突き抜ける例もあるが、経験を重ねて技術、戦術などが噛み合う瞬間がある。その時点から、彼らは啓示を受けたようにゴールを決めている。

「ストライカーは生もの」

 それはひとつの真理だ。たとえば、エスパニョールで得点を量産していたスペイン人FWホセルは、33歳の誕生日2日前にスペイン代表に抜擢され、華々しくデビューを飾っている。そしてなんと3分間で2得点を記録。その勢いを駆って、レアル・マドリードに移籍した(今シーズンはカップ戦も含めてここまで14得点)。

 ストライカーが容赦なく数字で評価されるポジションであり、ゴールを叩き出すことで変身を遂げるとしたら――。問いに対する答えは、はっきりと出ている。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る