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鎌田大地はJリーグが生んだ傑作 渡欧前からポテンシャルの高さは明らかだった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki

 鎌田はJリーグで2年半プレーした後、欧州挑戦に踏みきっている。語学力を含めて久保建英のようなコミュニケーション能力があるわけではなく、フランクフルト入団1年目はかなり苦労したようだ。しかしシント・トロイデンではリーグ15得点を記録し、欧州に適応。フランクフルトに戻ると、4シーズンの在籍でDFBポカール(ドイツカップ)、ヨーロッパリーグ優勝に貢献した。

 今シーズンから鎌田はイタリア、ラツィオに新天地を求めている。かの国特有のサッカー文化には、今も適応に苦しんでいる。フィジカルや士気の高さの比重が高いプレースタイルで、戦術も「負けない」ことを土台に組まれているイタリアの風土は、鎌田の肌に合わないようにも映るが......。

 ひとつ言えるのは、鎌田に匹敵する「時間を操るファンタジスタ」は、その後のJリーグには出ていないということだ。

著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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