ガンバ大阪・半田陸「チーム内で選手ごとの温度差」を感じた昨季 その経験を糧に「誰ひとりとしてサボることを許しちゃいけない」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa

 そうした経験をしたからだろう。今シーズンのスタートにあたっては、「ケガなく、1シーズンを戦い抜くこと」を自身の目標に挙げていた半田。オフシーズンも、ケガを負った箇所から完全に痛みを取り除くことを心がけつつ、体の使い方、バランスを考慮したトレーニングや、スプリント系のトレーニングを積極的に取り入れながら、その基盤を作ったと聞く。

 それは、「もっと守備を安定させて、ひとりで右サイドを守れるくらいの守備力を示せるようになること」と「攻撃でより回数多くゴールに絡んでいくため」でもある。

「そこまでめちゃめちゃ動いていたわけではなく、どちらかというと体の状態と相談しながら気分のままに動いていた感じでしたけど、チームが始動してからもコンディションを含めて、いい感覚で動けています。

 もっとも、今年はそういう個人の感覚を、チームのなかでどう生かすか、チームの結果にどう結びつけていけるかが大事だと思っているので、昨年の戦いを通して出たチームの課題や変化が必要なところは、より意識して取り組んでいます。その部分はダニ(ダニエル・ポヤトス監督)からも伝えられて、練習メニューとしても組み込まれているので、しっかり向き合っていくだけだと思っています」

 特に昨年の後半戦で感じた"切り替え"や"プレー強度"における物足りなさは、チームが進化を求めるためには不可欠だと強調する。

「昨年は、チームとしての戦い方を浸透させることばかりに目がいっていたというか。シーズンが進むにつれて、それじゃあ戦えないとなって、プレー強度を求められるようになったものの、正直、チーム内でも選手ごとの温度差はあったと思います。それによって、プレッシャーにいってもボールを奪いきれずに剥がされ、後ろが晒されて失点、というシーンも多かった。

 ただ、そうした反省をもとに、今年は始動日からダニにも切り替えのことは口酸っぱく言われていますし、みんなも意識して取り組んでいるので。また、新加入選手を含めて、スタイル的に切り替えや走力のところで強みを発揮できる選手が増えたことで、チーム全体の強度が上がっているなという手応えもある。あとは、それをベースにチームとしての狙いを、公式戦で勇気を持って表現できるかだと思っています」

 その手応えに関しては、2月10日のプレシーズンマッチ、サンフレッチェ広島戦でも明らかな"変化"として確認できた部分だと言っていい。また、彼自身も右サイドバックとして先発を預かるなかで、縦に、中にとポジショニングを変えながら効果的に攻撃に顔を出すなど、コンディションのよさを伺わせた。

「広島のシステムを踏まえて、僕のサイドは縦だけではなく、中に入っていくことをプランのひとつにしていました。僕が中にポジションを取って(ボランチの)ダワンを前に押し上げるとか、逆にダワンが下がったら、僕がそのスペースを使うというように、です。

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