永井秀樹に聞いた「なぜイニエスタは移籍した?」「マタはなぜ出場10分で退団?」「ヴェルディのJ1昇格、どう思う?」 (3ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

── 今、まさに新シーズンの編成をしているところですね。

「来年はACL(アジアチャンピオンズリーグ)を、クラブを上げて取りにいきます。編成もボリュームを出して2チーム分、それも高いレベルで、ということを考えています。ケガ人が出ることなども想定するわけですが、選手を増やしすぎると監督はマネジメントが難しくなります。ローテーションをするとしても、常に出たいというのが選手心理ですから」

── ヴィッセル神戸というチームの受け止められ方については? 選手を獲得する際の交渉などは進めやすいですか?

「去年の段階では、日本人選手と交渉をしていると『オファーはうれしいし、ありがたいですけれど、これだけいい選手がいるから、自分が移籍しても出られないですよね』と言われることがありました。それがいい悪いではなく、今の選手たちはしっかりしているというか、現実的なのかなという印象を受けました」

── 選手の性格にもよるのでしょうが。

「そうですね。今年は今まさに交渉をしているところですが、『大迫さんと一緒にプレーできたら、学ぶことが多いし、自分も成長できる』とか、『蛍さんと』とか『高徳さんと』と言われる。そこは優勝して変わったのかなと感じているところです」

── 平均年齢がやや高いでしょうか。

「そこは課題だと思っています。フロントとしては目前の勝利に集中するけれど、中長期的な視点で年齢バランスを整えていくことも、並行して考えていきます」

── もうひとつ、古巣の東京ヴェルディがJ1昇格を決めました。永井SDのかつての教え子である森田晃樹選手や谷口栄斗選手らが、中心選手としてチームを支えました。

「ユースの監督当時に『ヴェルディを再建するのはお前たちだぞ』と、毎日のように話していました。満点の解答で応えてくれたわけです。彼らの成長した姿を見るのは、シンプルにうれしかったですね。

 森田はキャプテン向きのタイプじゃないですが、ユースの時にあえて抜擢しました。そうすることに意味があると思ったし、今シーズンはキャプテンを任されていましたから、結果的によかったのかなと」

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