J1昇格の残り1枠を勝ち取るのは? 東京V、清水、山形、千葉4チームの強みとカギになる選手 (3ページ目)
【乾貴士を中心とした攻撃が光る清水】
準決勝のもう一つのカードは、清水(4位)対山形(5位)。清水は2位で最終節を迎えながら、水戸ホーリーホックに引き分けたことで4位に転落。自動昇格を目前で逃し、プレーオフに回ることとなった。
開幕から5試合連続で引き分け、その後2連敗。7試合連続で勝ち星を挙げられず、ゼ・リカルド監督を解任し、秋葉忠宏をコーチから監督に昇格させた。それまでの4-4-2から4-2-3-1にシステムを変更し、MF乾貴士をトップ下に据えたことが清水の転機となった。
第8節で東京Vに勝利すると、そこから8戦で6勝2分、第23節から9勝5分で14試合無敗を記録した。
サイドから中央へポジションを移したことで、使われる側から周囲を使う側となった乾は、得意のドリブルやキープ力でラインを破り、周りへ時間とスペースを生み出した。またパスセンスも光り、周囲のタレントたちを躍動させた。よりゴールに近いポジションになったことで得点数も伸び、今季10得点10アシストと新境地で圧倒的な輝きを放った。
タレント豊富な陣容のなかでもっとも危険なのは、言うまでもなくエースのFWチアゴ・サンタナで、乾との縦ラインはJ2屈指。また、15得点でチーム内得点王のカルリーニョス・ジュニオの突破力と決定力も強烈で、乾との息の合ったポジションチェンジは山形にとって捕まえづらく、非常に厄介だ。
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