J1昇格の残り1枠を勝ち取るのは? 東京V、清水、山形、千葉4チームの強みとカギになる選手 (2ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko

【千葉も負けず劣らずのハイプレス】

 一方の千葉は、シーズン序盤は開幕戦こそ勝利したものの、その後は3分5敗と8試合勝ち星から遠ざかる苦しいスタートとなった。

 しかし、シーズンを折り返すあたりからチーム状態が上向き、急激に勝ち点を積み上げて8月から10月にかけて7連勝も達成。最終節を残してプレーオフ圏内を確実にしたが、V・ファーレン長崎に敗れたことで6位となった。

 千葉も4-4-2のシステムを基本にし、東京Vに負けず劣らず全体で連動したハイプレスの強度が高く、ハードワークを厭わないチームだ。この準決勝も互いにハイプレスを仕掛ける激しい試合が予想される。

 強力な守備をベースにタレント豊富な攻撃は迫力がある。ゲームメイクに長けるダブルボランチが中心となるが、両サイドハーフが幅を取り相手のライン間で巧みに起点となる。MF風間宏矢は相手にとって捕まえづらいだろう。

 左サイドのFWドゥドゥの突破力も大きな武器だ。7月の途中加入ながら7得点と決定力もあり、第39節東京V戦では圧巻の2ゴールと個の力を見せつけた。

 3位の東京Vは引き分け以上が勝ち上がりの条件。今季もっともクリーンシートの多いチームにとって優位であることは間違いない。第39節で対戦した際は(3-2で東京Vの勝利)、東京Vのハイプレスがはまり、守備で圧倒しながら16本のシュートを浴びせ、終盤の逆転劇を呼び込んだ。

 しかし、一発勝負のラウンドでは時の運や大胆さが勝負を分けることは往々にしてある。

 前述したドゥドゥの2ゴールのような大胆さは、勝利が必須で割りきって戦える千葉のほうがより表現しやすいだろう。そういった意味では、今季13得点と飛躍したエースFW小森飛絢の活躍も千葉のカギを握りそうだ。

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