J1優勝はヴィッセル神戸か横浜F・マリノスか。カギを握る選手は誰? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

【マンチェスター・シティ戦で得た自信】

「(シティは)めちゃくちゃ強かったです。でも、しり込みして、べた引きはしたくなった。ビルドアップはできるだけチャレンジした」

 シティ戦後、キャプテンである喜田拓也は誇らしげに語り、手応えが伝わってきた。

「プレスは向こうのクオリティの高さは感じました。でも、それを体感するために自分たちらしくいった。恐れずにいったからこそ、ひっかけてチャンスも作れました。何より、『点数をとる』というのが自分たちのチームカラーなので」

 最強チームと戦って得た自信は相当なものだ。

横浜F・マリノス連覇のカギを握るひとり、宮市亮横浜F・マリノス連覇のカギを握るひとり、宮市亮この記事に関連する写真を見る「J1を連覇できるだけのクオリティを感じた」

 シティのジョゼップ・グアルディオラ監督も、太鼓判を押すほどだった。リップサービスはあるにせよ、お世辞を使う人物ではない。

「ウィンガーがカイル(・ウォーカー)を抜いた場面があって、いつもとは違う場所でプレーし、啓発させられるところがあった。日本サッカーのことを今も下に見るような人間は、実際に知らないからだろう。日本人選手は三笘(薫)のようにプレミアリーグにも好プレーヤーを輩出し、プレーの質は疑いようがない」(グアルディオラ監督)

 セルティック戦、シティ戦の布陣は、横浜F?のひとつの正解かもしれない。

 水沼宏太が先発で右に入ることで、幅を取って深みを作れる。サイドバックやボランチとの連係も盛んになって、ボールを運び、展開。リズムに変化を作り出せるし、必殺の右足クロスもある。

 アンデルソン・ロペス、エウベル、ヤン・マテウスの3トップはJ1屈指のスピード&パワーを誇る。ただし、それ故に攻め急ぎも出て、単調になりやすい。左利きのヤン・マテウスは右からカットインのシュートはあるが、幅を取った攻撃は得意ではなく、川崎戦でも決定的な右足シュートを外していた。

 優勝の切り札は宮市亮か。後半の勝負どころで投入されると、爆発的スピードで相手を仕留める。セルティックを完全に凌駕していたし、シティの選手と対峙しても引けを取らなかったほどだ。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る