植田直通がアントラーズ復帰を決めた理由「今の選手やスタッフたちは、苦しい思いをしながら戦っていると想像できた」 (3ページ目)
── CBとして目の前の相手を守るだけではなく、チーム全体のことを考えてプレーするようになったと?
「以前、鹿島にいた時から、自分に足りないのはそこだと思っていました。自分でチームを動かす力を養わなければと思っていたので、ヨーロッパのチームで自分がチーム全体を動かせるようになれば、自分自身のプレーも変わっていくのではないか、と。だから、意識して練習中や試合中も声をかけるようにしていました」
── サークル・ブルージュのチームメイトは、植田選手の声に耳を傾けてくれたのでしょうか?
「いや、基本的に言うことは聞かないですね(笑)。どうしても個と個の勝負になるので。だから、カバーリングするような意識も少ない。でも、同時にそこがヨーロッパのよさでもあると思いました。
それでも個人的には、チームとして連動した守備や攻撃をしていくことが重要だと思っていたので、まずはうしろのDFラインだけでも連係を図ろうと働きかけました。だから以前、鹿島にいた時よりも、ヨーロッパに行ってからはしゃべっていたと思いますよ」
── 2021年の冬には、フランスのニーム・オリンピックに期限つき移籍しました。そこではフランスの1部と2部でのプレーを経験しています。ベルギーとはリーグの特徴はまた、違いましたか?
「違いましたね。(フランスは)さらに個が強いように感じました。ベルギーではチームとしての組織的な守備ができるように働きかけようと思っていましたが、フランスに行ったら再び自分の個の力ももっと磨かなければいけないと感じました。
それくらい個の力が強いアタッカーがゴロゴロといて、そういう選手を相手にするたびに、自分の力が足りないことを痛感させられました。一方で、自分の個の力もまだまだ成長させることができる、とも思わせてくれました」
── 対人の強さにおいて、日本国内でプレーしていた時は誰にも負けないと思っていたのに、フランスではそこすら敵わない相手がいるとことを知ったと?
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