ジュビロ磐田のかなり厳しい現状 酷いサッカーをしているわけではないが不振脱出の起爆剤としての補強もできない (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 東京V戦で先発出場したFW後藤啓介にしても、今季ユースチームから昇格してきたばかりのルーキー。これまでリーグ戦全13試合に出場(うち先発5試合)し、チームトップタイの4ゴールを記録している17歳は、補強ができないシーズンにあって貴重な新戦力となっている。

 だが、今後が楽しみなルーキーの活躍に胸が高鳴る一方で、17歳にセンターフォワードを託さざるを得ない現状には、一抹の不安も覚えてしまう。

 もちろん、長いシーズンは序盤戦を終えたばかり。現有戦力で連係を含めたプレー精度を高めていけば、巻き返しのチャンスはまだ十分に残されているはずだ。

 しかし、これから試合を重ねていくなかでは、当然、負傷者も出てくれば、コンディションが低下する選手も出てくる。実際、東京V戦では、頼みの後藤が負傷交代を余儀なくされた。今後は戦力補強ができないばかりか、現有戦力が維持される保証すらないのだ。

 そんなハンデを抱えながら1シーズンを戦い続けることに、相当な困難がともなうことは間違いない。

 補強禁止――。Jリーグ史上類を見ない厳しい処分は、1年でのJ1復帰を目指す昇格候補に大きな重荷となってのしかかっている。

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