浦和レッズの勢いを象徴するドロー 新指揮官のもと、交代選手が活躍し、17歳の新鋭が躍動できるのはなぜか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 左MFに入った早川が、タッチライン際でうまく周囲とパスをつないでボールを前進させると、オーバーラップしていたDF荻原拓也へパス。これを受けた荻原がゴール前へクロスを送り、最後はリンセンがワンタッチで仕留めた。

「オギからすばらしいボールが来た。僕にとってはイージーゴールだった」

 殊勲のリンセンもチームメイトを称えたように、完璧なお膳立てによる得点だった。

 左サイドで大役を果たした早川は、まだ浦和ユースに所属する17歳。4日前のルヴァンカップ湘南ベルマーレ戦(1-1)で初ゴールを決め、この日のJ1デビューをつかみとったばかりの新鋭である。

 スコルジャ監督の抜擢を受けた高校生が期待に応え、すぐさま大仕事を成し遂げてしまうあたりに、今の浦和の勢いが象徴されている。

 J1リーグデビュー戦で大仕事をやってのけた早川隼平 J1リーグデビュー戦で大仕事をやってのけた早川隼平この記事に関連する写真を見る 思えば、浦和が今季初勝利を挙げたJ1第3節のセレッソ大阪戦(2-1)。値千金の勝ち越しゴールを決めたのも途中出場の23歳、MF安居海渡。リーグ戦出場が通算7試合目の安居にとって、それが記念すべきプロ入り初ゴールだった。

 今季新たに浦和にやってきたポーランド人指揮官は、過去の実績にとらわれることなく、選手をフラットに評価。そして、起用された選手がそれに応える。

 監督と選手との信頼関係が好循環を生み、チームに勢いをもたらすばかりか、戦力の厚みにもつながっているのは確かだろう。

 今季J1開幕戦からいきなりの2連敗スタートとなった時は、どうなることかと心配された浦和だったが、当時の不安はすでに過去のものとなっている。

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