カレン・ロバート「Jリーグに戻ろうとはまったく思わなかった」本場イギリスでのプレーにこだわったわけ
房総ローヴァーズ木更津FC
カレン・ロバートCEOインタビュー(2)
◆インタビュー(1):Jリーグ2005年の「新人王」カレン・ロバートの今>>
この記事に関連する写真を見る イギリスでサッカーがしたい――。
その思いを抱えて海外5カ国を巡り、およそ15年間のプロ生活を送ったカレン・ロバートだったが、2010年のロアッソ熊本を最後にJクラブには所属していない。
「環境は整ってるし、お金もそれなりにいい。Jリーグのよさは知っていましたけど、一回帰っちゃうと、もう外(海外)に出られないだろうと思っていた」からだ。
いくらヨーロッパでのステップアップが思うように進まなくても、自分からJリーグ復帰の道を探ることは一切しなかった。
「やっぱり、まだ海外でチャレンジしたい気持ちがすごく強かったので。Jリーグに戻ろうとはまったく思わなかったです」
今にして思えば、ジュビロ磐田時代にプリマス(イングランド)から届いた獲得オファーが、千載一遇のチャンスだった。
北アイルランド出身の父を持つカレンは、「(イギリスの)永住権を持っていたので、他の選手よりも(渡英の)ハードルが低い」。通常、日本国籍の選手であれば就労ビザを取得しなければいけないが、それが必要なかったからである。
「(サッカー選手がイギリスの就労ビザを取るために)A代表の試合に何パーセント以上出場していないといけない、みたいな条件が僕にはなかった。行けるチャンスが他の選手より多いっていうのはわかっていました」
だが、結局は破談に終わるプリマス移籍の顛末を振り返っても、カレンには「行けたらよかったな」という程度で、そこまで強い失望感がなかったのも事実である。
「その時も(クラブ側に)行きたいとは言ってたんですけど、強い気持ちではなかった。ジュビロにも慣れが出てきてたし、『なんか行ってみたいな』ぐらいの感じでしたね。本当にイギリスへ行きたいという強い気持ちを持ち始めたのは、オランダへ行ってからです」
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