Jリーグ2005年の「新人王」カレン・ロバートの今 オランダ移籍後から暗転→「浪人生活」を繰り返した波乱万丈のサッカー人生

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

房総ローヴァーズ木更津FC
カレン・ロバートCEOインタビュー(1)

この記事に関連する写真を見る かつてJリーグを沸かせ、新人王(現ベストヤングプレーヤー)にも選ばれたサッカー選手がひとり、2019年3月、現役生活にピリオドを打った。

「そこで、プロ選手としての区切りをつけさせてもらいました」

 そう語るのは、かつてジュビロ磐田などで活躍したカレン・ロバート。現在は、自身が発起人となって立ち上げた街クラブ、房総ローヴァーズ木更津FCの代表を務めている。

 実のところ、カレンは現役引退発表後もなお、千葉県リーグに所属するローヴァーズでプレーを続けていた。だが、それはあくまでも「仕事をしながら社会人としてサッカーをする。要はアマチュアです」。

 アスリートとしての第一線からは退き、ローヴァーズの経営者という立場に軸足を置いてきた。

 ローヴァーズ(Rovers)とは、英語で「流浪の旅を続ける、さすらい人」のこと。イギリスのサッカークラブにしばしば見かける名前だが、カレンは「その意味が気に入って」自らのクラブにも名づけたという。

 事実、カレン・ロバートというサッカー選手のキャリアを振り返った時、それはまさに世界中をさすらう波乱万丈の旅だった。

 サッカー選手として、カレンが全国的にその名を知られるようになったのは、市立船橋高時代のこと。2年時に全国高校サッカー選手権大会で優勝するなど、世代屈指のFWとして注目を集めた。

 市船高卒業後は、ジュビロ磐田入り。プロ2年目の2005年には、J1で31試合出場13ゴールの成績を残し、新人王に選ばれた。

 また、同じ2005年にはU-20日本代表の一員として、ワールドユース選手権(現U-20ワールドカップ)にも出場。その歩みは順風満帆であるかに見えた。

 しかし、さすらい人たるカレンのサッカー人生が大きく波打つのは、ここからだ。

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