「タイトル獲得へフロンターレを倒さなければ」...シャイな知念慶が殻を破って「叫び、吠えるアントラーズの男」になる (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by Kyodo News

【悠さんだったらどうする?】

 鹿島の印象について聞くと、こう教えてくれた。

「アントラーズは本当に年齢の若い選手が多い。自分がフロンターレで優勝を経験した時は、成熟した選手が多くて、ゲームの流れや時間の使い方も含めて、うまくコントロールしてくれていました。

 シーズンを通して試合に勝った時も、負けた時も、うまく修正して勝っていったところがあったので、自分自身も先輩たちが率先してやってきたことを、この若い選手が多いアントラーズで見せていけたらと思っています」

 宮崎県で行なったキャンプ期間中の練習試合で、鹿島はJ2のチームを相手に3連敗を喫した。年齢の若い選手が多いチームだけに、その結果に一喜一憂してしまう雰囲気を知念は感じ取ったという。

「こういう時、(小林)悠さんだったらどうするんだろうなと思って、チームが苦しい時や結果が出ない時に、悠さんが取っていた行動を思い出したりしていました」

 思い描いたのは同じFWであり、尊敬する選手にも名前を挙げた小林悠の姿だった。

「FWは点を獲ることが役割ですし、MFのようにチームの戦術的なところを担っているわけではないので、細かいところまで言及することはできない。

 でも、チームを盛り上げるような声は出すことができるし、一人ひとりとコミュニケーションを取っていくことで、細かいプレーの話もすることができる。だから、少しずつでも一人ひとりと話をする時間を作るようにしています」

 そこには2020年に1年間、大分トリニータに期限付き移籍した経験も活きていた。

「大分に移籍した時は、自分自身も初めての経験だったので、あの時、もっとああしておけばよかったとか、こうしておけばうまくいったのかなって考えることも多かった。その反省を生かして今、取り組めています」

 積極的にチームメイトとコミュニケーションを取ることで、チームや自身のプレーに効果をもたらそうと努めている。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る