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新進気鋭のアタッカー。躍進ロアッソ熊本の原動力だった杉山直宏がガンバ大阪躍進への起爆剤となるか (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・構成 text by Takamura Misa
  • photo by ⒸGAMBA OSAKA

 また、熊本の大木武監督によって、2シーズンにわたって「走力や球際の強さ、シュートの鋭さや攻守の切り替えの強度などを鍛えられた」ことも、より高いステージでプレーすることへの自信につながったと言葉を続けた。

「大木さんが今年も熊本の監督を続投されると聞いていたなかで、そのまま熊本に在籍していれば、もしかしたら試合に出られる可能性はより高かったのかもしれません。

 でも、プロキャリアをスタートした時からJ1でプレーすることはもちろん、その先に海外でプレーすることを描いていたなかで、大卒でプロになった僕には年齢的にもゆっくりしている時間はないな、と。だからこそ、チャンスがあるのなら少しでも早くJ1リーグでプレーしなければいけないと思いました。

 それに、今年から(ガンバの)指揮を執る(ダニエル・)ポヤトス監督の理想とするサッカーは(自分の)プレースタイル的にも合いそうだなと感じているので、自分の特徴をしっかりとピッチで表現していきたいし、環境を変えてチャレンジすることで得られる成長を自分の力にしていきたいと思っています」

 武器は、サイドからの仕掛けと左足。ふだんから理想とする選手のプレー映像を見ては、練習でチャレンジすることも多いという。なかでも、アルゼンチン代表のアンヘル・ディ・マリア(ユベントス)に熱視線を送る。

「彼のボールの持ち方やポジショニングから学ぶことも多い。昨年のカタールW杯決勝でも、ゴールシーンや、攻撃の起点になるプレーなど、盗みたいなと思うシーンがたくさんありました。加えて、大舞台でも落ちついて、いつもどおりのプレーができるのもさすがだなと思って見ていました」

 その武器をいかに"ポヤトス・ガンバ"に落とし込もうと考えているのか。プロになってからの2年間は右サイドを主戦場にしてきたが、「左サイドでも遜色なくやれる」と話す彼は、どんな攻撃イメージを描いているのか。

「昨年、J2で対戦した(ポヤトス監督率いる)徳島ヴォルティスはうしろでつなぎながら、縦パスが入った時にチーム全体がスピードアップしていくイメージがあった。それを考えても、前線でボールを収める時間は大事になってくる。

 ボールを持ちながらゴールを目指すうえでは、前線の選手が縦パスを受けてすぐに失わないことや、サイドで攻撃を作りながら逆サイドに素早く展開して、縦に早く仕掛けるというような攻撃が増えれば、より得点力は上がっていくんじゃないかと思っています。

 左利きの僕は、右サイドを起点に内足でボールを持ってクロスを上げたり、中にいる選手に当てて自分が前線に切り込んでいくのも得意の形なので、しっかりピッチで発揮していけたらと思っています」

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