VARでそこまでやる必要が本当にあるのか?「3D」採用によるオフサイド判定 (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 今回のレフェリーブリーフィングでは、試合中にVAR、AVAR、オペレーターの計3人がどのようなやり取り(会話や手振り)をし、どういう手順で3Dオフサイドラインを使って判定をくだしているのかを、"模擬VARブース"のなかで実際にシミュレーションする様子も見せてもらった。

 暗い部屋のなかで何台ものモニターを前にしているだけでも、かなりのストレスがかかりそうなものだが、そこではわずかな見落としさえ許されないのだから、それこそ神経をすり減らすような作業だろう。模擬現場の様子を目の当たりにし、レフェリーの方々には頭が下がる思いだ。

 しかし、だからこそ疑問も膨らむ。

 そもそも(Jリーグだけの話でなく、全世界的に)オフサイドについてだけ、ここまで厳密に判定する必要があるのだろうか。もっと言うならば、サッカーはテクノロジーによって正しい方向に進化しているのだろうか、と。

 レフェリーの苦労の一端に触れたことで、その思いはなお強くなった。

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