Jリーグ終盤戦の見どころを福田正博が解説。優勝へひた走る横浜FMとACL争い。残留争いは混沌 (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

川崎は王者の意地を見せられるか

 追いかける鹿島は、優勝ということに関して言えば、得点ランキングでトップを走っていた上田綺世がベルギーのセルクル・ブルージュへ移籍したのが痛い。ただ、今シーズンからレネ・ヴァイラー新監督を迎えて復権を目指すなかで、常勝クラブだった頃の激しさが戻ってきたのは、来季以降を見据えた時にはプラス材料だ。このまま最後まで走りきって、2年ぶりのACL出場権を手にすると見ている。

 そのACL出場権を争うのが、鹿島と勝ち点1差の柏レイソル、勝ち点2差のセレッソ大阪、勝ち点3差の川崎フロンターレ。そして、勝ち点5差でサンフレッチェ広島とFC東京が続くが、ACL出場権のチャンスはこのあたりまでだろう。

 このなかで気になるのは、やはり川崎だ。Jリーグ2連覇中の王者は開幕から苦しい試合が続いているが、誤算だったのは攻撃的なポジションに獲得したMFチャナティップがまだフィットしきれていない点だろう。当たり前だが、三笘薫(ブライトン)、田中碧(デュッセルドルフ)、旗手怜央(セルティック)が抜けた穴は、そうそう埋まるものではなかったということでもある。

 本来ならMF大島僚太にチームを引っ張ってもらいたいところだと思うが、故障がちでそれがかなわないのが苦しい。8月7日の第24節では、横浜FMとの一戦が控えている。川崎らしい勝ち方ができれば再浮上の機運も出てくるだけに、この一戦で王者が意地を見せられるかは注目していきたい。

 残留争いに目を向ければ、勝ち点26で京都サンガ、名古屋グランパスがいて、それに続く勝ち点25に湘南ベルマーレと北海道コンサドーレ札幌がつけている。その下の勝ち点22の15位と16位がガンバ大阪とジュビロ磐田。勝ち点21の17位と18位がヴィッセル神戸と清水エスパルスだ。

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