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アルビレックス新潟、指揮官の交代に不安視もJ1昇格への期待が薄れないわけ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 とはいえ、前任者から引き継いだものをただ続けるだけでは、いずれ強化は頭打ちになる。継続すべきところは続け、変化させるべきところは変える。後任者には、そんな決断が求められることもあるだろう。

 松橋監督も、「もちろん、僕が監督を務めるスタート(の段階)で、そこはある程度着手していた部分がある」と言い、こう続ける。

「どうしてもボールを下げてでも保持することが第一選択肢になるなかで、でもゴールは前にある。そこで、いかにボールを前に進めていくかということは、今年のスタートからずっとやっている。(ボールを)前に動かすことができることによって、アルベルが植えつけたプレースタイルというものもさらに生かせると思うし、アルベルの考えがさらにいい形で表現できることによって、私が考えるものもさらにいい方向へ進むと思ってやっている」

 松橋監督の意図は、前任者にも伝わっているのだろう。現在はFC東京で新たな挑戦の真っ最中にあるアルベル監督もまた、こんな言葉で新潟の現状を評価している。

「(FC東京の)今季最初の10試合ちょっとは、ゴールにより直線的に向かうプレーが多かったが、チームはそれをやりつつ、段階を追ってプレースタイルの変化に適応して成長している。成長プロセスにおいては、負けることがあるのも当然。新潟でも1年目は苦しむ試合が多かった。しかし、2年目は順調に進んだ。私が去った今年も、新潟は順調にいいプレーをし続け、首位争いをしている」

 もちろん、全42試合を戦う長いシーズンにおいては、この先、何が起こるかわからない。

 だが、すでにシーズン全体の3分の1強を終えた現段階で言うならば、新潟が目指す理想のスタイルは監督交代を経てもなお、うまく継続されているのだろう。

 何よりピッチ上で軽快にボールを動かし続ける選手たちが、その事実を示している。

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