アルビレックス新潟、指揮官の交代に不安視もJ1昇格への期待が薄れないわけ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 前監督が2年間かけてようやく芽吹いてきたスタイルを、新監督がどう結果につなげるのか。

 その点において、期待あり、不安ありの今季の船出だったはずだが、実際にシーズンが始まってみると、新潟は順調な航海を続けている。

 パスをつなぎ倒して相手をねじ伏せる迫力は、昨季に比べて衰えるどころか、むしろ増している印象すら受けるほどだ。

 現在、首位との勝ち点3差の3位(第16節終了時点)は、J1参入プレーオフ圏内であることはもちろん、J1自動昇格となる2位以内も十分に狙える位置だ。

J1復帰へ向けて、好スタートをきったアルビレックス新潟J1復帰へ向けて、好スタートをきったアルビレックス新潟この記事に関連する写真を見る J1昇格の使命を託された、松橋監督が語る。

「(アルベル監督が目指したスタイルである)ポジショナルプレーというものの考え方は、おそらく我々が考えているものとは明らかに違う。僕はコーチで長くやっていたのである程度理解できるが、選手個々にとっては目新しかった。そういう新しいものを、アルベルは徹底して作ったと思う」

 昨今のサッカー界で話題となっているポジショナルプレー。ざっくりと言ってしまえば、ピッチ上で常に優位性を作ろうという発想であり、ボールを保持し続け、失ってもすぐに奪い返すことを実現しようとするわけだが、「僕が(新潟に)来たのが(アルベル監督の)2シーズン目だったが、その時点でそういう部分は身についているというか、身にしみているというか。考えて何かをするというよりも、反射的に、というものは、ある程度選手のなかには作り上げられていた部分がある」(松橋監督)という。

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