コンサドーレ札幌のサッカーが面白い理由。ミシャは今季で5年目も常に前向きで挑戦的な試み (2ページ目)
マンチェスター・シティが組織的に攻撃を構築し、優勢にゲームを進めるも、なかなか得点が奪えない。そうこうするうちに、レアル・マドリードはカリム・ベンゼマやヴィニシウスが、決定機とは言えない状況からでも、あっけなくゴールを陥れてしまうのである。
その後、期せずしてマンチェスター・シティから、アーリング・ハーランド獲得が発表された。
その善し悪しはともかく、優れた組織を無意味なものにしてしまうような「得点をとる特別な能力を持つ選手」が存在し、得てしてそうした選手を擁するチームが強いことは確かだろう。
鹿島アントラーズには1-4と完敗を喫したコンサドーレ札幌だが...この記事に関連する写真を見る 札幌が1-4と大敗を喫した直近の鹿島戦を振り返っても、前半は鹿島が、後半は札幌が、それぞれ主導権を握って試合を進めたが、前半の鹿島が9本のシュートで4点を奪った(うち3点を鈴木と上田が決めた)のに対し、後半の札幌は11本もシュートを打ちながら1点を返すにとどまった。
しかも、11本のシュートに無駄打ちはほとんどなく、「決定的なチャンスが4、5回くらいはあったかもしれない」(ペトロヴィッチ監督)のだから、いかにも得点効率が悪い。
ペトロヴィッチ監督は、自らが思い描く戦術をチームにうまく落とし込み、チャンスの数を増やすことには成功しているのだが、逆に、その数が増えるほどに決定力不足が目立ってしまうのだから、なんとも皮肉な話である。
とはいえ、Jリーグをよく知る名将は、ゴール欠乏症の原因を選手に押しつけたりはしない。
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