首位・川崎フロンターレと最下位・ヴィッセル神戸。Jリーグ序盤戦、福田正博が「明暗の理由」を分析 (2ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

川崎は対戦のタイミングもよかった

 もちろん、苦しい展開になっても粘り強く戦い、勝負強さを発揮して勝ち点を積み重ねるのが2022シーズン版の川崎だという見方はできる。ただ、そうだとしても守備のところでの不安定さがあるがゆえに、4月2日のセレッソ大阪戦で1-4の大敗を喫したような敗戦は、今後もあるのではないかと見ている。

 それでも首位を走っているのは、対戦のタイミングに恵まれたところもあったと感じる。スーパーカップでの敗戦で、J1 開幕前に修正点が見つかった。開幕のFC東京戦は負けていても不思議ではなかった内容だったが、仮にスーパーカップで浦和に勝っていたら、FC東京、横浜FM、鹿島アントラーズ、浦和と続いていった強豪とのシーズン序盤の連戦でもっと負けていたのかもしれない。

 今シーズンの川崎が苦戦している理由は、センターバックにジェジエウを欠いているのが大きい。今季は山村和也が起用されているが、ジェジエウほどのスピードがないため、チームは高いDFラインを敷くと生まれる背後のスペースを警戒し、ジェジエウの時と同じような高い位置にポジショニングを取れていないように映る。

 わずか一歩、距離にしたら1メートルもない程度の違いだ。だが、それによって中盤でのプレスのかかりが遅れたり、相手に使われるスペースを与えたりして、失点が増えているのではないだろうか。

 この課題に対して鬼木達監督は、中盤を構成する選手を入れ替えたり、立ち位置を変えたりして対応してきたが、2週間で6試合を行なうACLでの戦いを通じながら、ACL後のJ1リーグへの対策も講じるのではないかと思う。

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