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清水エスパルス・片山瑛一「勉強もスポーツもできるイメージがプレッシャーだった」学生の頃。親は「勉強しすぎじゃない?」とも (4ページ目)

  • 門脇 正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori

男子校で熱く過ごした青春時代

 ところで、埼玉県トップレベルの公立高校は、片山が入学した川高をはじめ、県立浦和、熊谷、春日部、松山高校などの男子校と、川越女子、浦和一女、熊谷女子、春日部女子、松山女子などの女子校に分かれている。これらの男子校や女子高以外に、埼玉県には大宮や蕨、市立浦和などの共学の公立高校もある。高校受験する時、中学生はこうした公立の進学校のなかから選択ができる点で、埼玉は全国でも珍しい特色を持っている。

「女の子のいない3年間も、逆にはっちゃけられてすごく楽しかったというのが正直なところありますね。男子校じゃないと得られなかったものもたくさんあるのかなって。男子校はいいと思いますよ。本当にいい高校3年間だったと思います」

 男子校ならではのイベントにも熱心に取り組んでいたという。

「強歩大会という、山中を何キロだろう、30〜40キロぐらい歩き続けるイベントがありました。あと、テレビドラマや映画にもなった『ウォーターボーイズ』は、川高水泳部が発祥だったんですよ。文化祭でシンクロの演技が見られるとテレビの番組でも取り上げられていた時代で、すごく盛り上がりましたね。

 男子校ってそういうイベントにかける熱量が異常に高いというか、文化祭や体育祭、陸上競技大会や強歩大会とか、人生をかけるくらいの人が多いのかなって思いましたよ(笑)」

 自身の川高時代を振り返りながら、片山は男子校のよさをこうまとめた。

「下手に見栄を張らないでいいというのは、すごく感じます。男しかいないから、誰にどう思われても別にいいじゃんという環境になるので、プライドも見栄もないし、ただ全力でやりたいことやって、熱量を注いで、まさに青春。それが男子校のよさかなって思います」

 男子校ならではの高校時代を過ごしながら、高校3年になった片山に、サッカー部最後の大会と、大学受験の現実が迫ってくることになる。

(大学時代、Jリーグ生活について語った後編につづく)

【profile】
片山瑛一 かたやま・えいいち 
1991年、埼玉県川越市生まれ。県立川越高校、早稲田大学スポーツ科学部を卒業後の2014年にファジアーノ岡山に入団。2018〜20年、セレッソ大阪を経て、2021年から清水エスパルスに在籍。主力選手としてチームを牽引している。

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須賀 和●協力 cooperation by Suga Yamato

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