平均年齢24.72歳の反逆。降格候補の柏レイソルが今季、サプライズを起こすか
2022年の新たなシーズンを前に、柏レイソルの評価は決して芳しいものではなかった。
昨季途中、チームの中心であったFW江坂任が電撃的に浦和レッズへ移籍して以降、主力の流出が相次いだからだ。
このシーズンオフにも、FWクリスティアーノ、MFヒシャルジソンというブラジル人選手の他、MF神谷優太、MF仲間隼斗ら、昨季20試合以上に出場した主力クラスが、相次いで柏を離れた。
一方で、その穴埋めとなる積極的な補強は行なわれていないのだから、戦力ダウンと見なされるのも当然の結果だっただろう。各メディアが開幕前に行なう順位予想では、柏をJ2降格候補と見る向きは多かった。
だが、そんな"降格候補"が開幕戦を白星で飾った。柏を率いるネルシーニョ監督の言葉を借りれば、「シーズン最初の非常に大事な一戦を勝利で終えられた。大きな1勝と評価している」という貴重な勝ち点3である。
J1第1節、柏は敵地で湘南ベルマーレと対戦し、2-0で勝利した。
立ち上がりは中盤でのボールの奪い合いが続き、「内容は五分五分」(ネルシーニョ監督)の展開だったが、前半34分、湘南に退場者が出たことをきっかけに、柏はボール支配率を大きく高めた。以降は危なげなく試合を進め、後半68分にPKを得て先制すると、後半75分には追加点。悠々の勝ち点3獲得となった。
ネルシーニョ監督も「相手よりひとり多い状況が続いたことで、より攻撃的なシナリオになった」と言い添えはしたが、「試合を通して、戦術的にはチームとして非常にいい戦い方ができた。選手一人ひとりが与えられた役割を理解して遂行してくれた」と称える快勝だった。
大事な開幕戦に臨んだ新生・柏の開幕戦メンバーを見て、まず目を引いたのは、その若さである。先発11人の平均年齢は25.91歳。控えメンバーも含めれば、さらに下がって24.72歳だ。
加えて、ホームグロウン(自前のアカデミー出身)の選手が先発に3人、控えに4人と、合計7人も入っていたのは特徴的。新旧交代を進めるなかで、育ちつつある若いタレントのブレイクを引き出す。それが今季の柏なのだろう。
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