J2ウォッチャー平畠啓史さんが今シーズン注目する選手５人。止めまくるGK、なんでもできるFW、展開力がすごいMF... (2ページ目)

小西雄大（MF／モンテディオ山形）

　これはちょっと私の個人的なところが大きいかもしれません。徳島ヴォルティスからモンテディオ山形に移籍した小西選手は、本当に大好きです。小西選手は、技術はもちろん、展開力がすごい。見えているところが違う。視野の広さがあるんですよね。

　テクニックはあるんですが、ナヨっとしてないというか、男臭い（笑）。パスが男臭いところが大好きなんですよ。チャラチャラしてないというか、小手先じゃなくて、縦にズバンって入れたり、強気のパスを出せる選手です。

　今年の山形は面白いですよね。昨年は、マイボールのなかコンビネーションでパパパって短いパスで崩してくようなシーンが結構ありました。小西選手は完全にそこに加わっていける選手です。さらに、もうちょっとレンジの長いパス、思いきってサイドチェンジするようなパスも出せるので、それが加わるとチームの攻撃のバリエーションがものすごく増えたりするんじゃないでしょうか。

　山形は、ヴィニシウス・アラウージョ選手が抜けたので、そこを埋められるかがカギですよね。愛媛から藤本佳希選手、松本山雅から鈴木国友選手が入りましたが、FWのなかで序盤からフィットする選手が出てくれば、スパンスパンと点を取れるような感じになるかもなと。やっぱり、ヴィニシウス・アラウージョ選手は点を取れる選手だったので、その穴をちゃんと埋められるかどうかは大きいですよね。

エドゥアルド・ネット（MF／大分トリニータ）

　大分トリニータに加入したエドゥアルド・ネット選手は、本当に楽しみ。真ん中から縦にパスを入れられるのが大きな魅力ですよね。

　大分は下平隆宏監督に代わり、サッカーも少し変わるんじゃないかと思っています。これまでの大分だと、攻撃はどちらかと言うと外回りのイメージで、外から攻めて中で仕留めるみたいな形がすごく大きかった。

　そこにエドゥアルド・ネット選手が入ったことで、真ん中からボールが縦に通っていくような展開が増えてきそうだなと。その形が増えたら、今度はまた外が生きてくる。そして外が生きたら中が生きるみたいな、いい循環が出てくるかもしれません。下平監督もしっかりボールを動かす監督さんですからね。

　あと、J2にはこのエドゥアルド・ネット選手、仙台に入ったレアンドロ・デサバト選手、長崎のカイオ・セザール選手と、南米出身のボランチにいい選手が結構いるので、直接対決がすごく楽しみで、面白くなるだろうなと期待しています。

　彼らって、試合後はクラブを問わず温かく接していたりするんですが、試合中とかバッチバチやるでしょ。試合前後の様子を見ていたら、ようあんな感じでピッチ上でできるなって、あまちゃんの日本人は思っちゃうんですよ（笑）。

　でも、やっぱりあれがプロだと思うんですよね。ピッチに立ったら「もうやる」っていうプロのメリハリみたいなもの。特にそれがリーグ戦の終盤になってきて、優勝とかプレーオフ圏内とか争うなかでのゲームで、そのポジションがカギを握るような形になると、相当にバチバチになって面白いんじゃないかと個人的に思っています。