J2ウォッチャー平畠啓史さんが今シーズン注目する選手5人。止めまくるGK、なんでもできるFW、展開力がすごいMF...

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

Jリーグ2022開幕特集

日本屈指のJ2ウォッチャーである平畠啓史さんが、今季のJ2で見るのを楽しみにしている注目選手は誰か。「多くの人に見てもらいたい」という5人を選んでもらった。

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昨季13ゴールを挙げた、東京ヴェルディの佐藤凌我昨季13ゴールを挙げた、東京ヴェルディの佐藤凌我この記事に関連する写真を見るスベンド・ブローダーセン(GK/横浜FC)

 ヨーロッパのゴールキーパー(GK)の匂いがすると言えばいいのでしょうか。世界の強い国(ドイツ)のGKってこういうキーパーなんだなと。

 まず単純に腕が長い。キャッチングの技術も高く、立ち姿も雰囲気があります。FWのすごさってわかりやすいと思うんですが、GKの場合すごいと感じる時って本当になかなかシュートが入らない場合じゃないですか。そういう意味でブローダーセンは何度もすごいと思わせてくれるGKです。

 昨年、横浜FCの試合をあまり見ていなかった人には、本当に見てもらいたい。J2ではまた止めまくるんじゃないかと思います。

 あと、J2に限ったことじゃないんですが、カテゴリーが下がれば下がるほど、GKと点取り屋が大事になってきますよね。いるいないで話が全然変わってくる。

 相手を研究して完璧に狙いどおりに戦っても、J2だと結局そこで負けたりしてしまう試合をJ1より多く見ます。その点、このブローダーセン選手が横浜FCに残ったのは大きいですよね。

佐藤凌我(FW/東京ヴェルディ)

 昨シーズンは大卒1年目でしたが、すでに何でもできるFWです。いわゆる『俺のところ持ってこい!ゴール決めたるわ!』みたいな感じのFWではなく、非常に現代的な香りがします。

 東京ヴェルディのチームとしての戦い方って、FWに要求されるものが多いと思うんです。でも佐藤選手はそれをすべてこなしてしまう。前線から一度下りてボールを引き出して、しっかりと味方にボールを渡せる。苦しい状況でもボールを受けてタメを作れる。サイドに流れても仕事ができる。本当に引き出しが多くて、スマートなFW。

 昨年は、出場42試合中スタメンが18試合だったのですが、13点決めています。途中出場が多いながらにこれだけのゴール数を叩き出したので、2年目がすごく楽しみ。今季はFWの軸になっていくんじゃないかと思っています。そして、さらにゴール数が増えるんじゃないかと。

 注目もかなり浴びる選手のひとりになっていくでしょうね。スタメンで出るにはチームとしていろんな仕事をする必要もありますし、それができる選手ですからね。でも、もっと点を取ることに集中させたら、爆発的に点数取るんじゃないかって期待もしちゃいます。本当にいい選手です。

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