北海道コンサドーレ札幌の2022シーズン。独特の攻撃サッカーは着実にアップデート

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

Jリーグ2022開幕特集

DAZNとパートナーメディアで構成する『DAZN Jリーグ推進委員会』の開幕特集企画。2017年から6シーズン目のJ1を戦う、北海道コンサドーレ札幌のシーズンプレビューをお届けする。新加入選手ほかチームのキーマンとなるプレーヤーを紹介していく。

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昨季7得点と活躍。今季さらなる飛躍が期待される小柏剛昨季7得点と活躍。今季さらなる飛躍が期待される小柏剛この記事に関連する写真を見る

【興梠の加入効果】

 数年前のように、彼らを降格候補などと言う人はもういない。クラブ史上最長を更新する6シーズン目のJ1に臨む北海道コンサドーレ札幌からは、静かな自信が感じられる。

 このオフには、元イングランド代表FWジェイ(契約満了)とタイ代表FWチャナティップ(川崎フロンターレへ完全移籍)が退団したものの、即座にFW興梠慎三(浦和レッズからローン)とMFガブリエル・シャビエル(名古屋グランパスから完全移籍)を獲得し、その穴を補填した。前者はJ1の現役最多得点者(歴代3位)であり、後者は昨季こそくすぶっていたが、その魔術的な左足は錆びついていないはずだ。

「これほどのクオリティーを備えた新戦力が来てくれたのは、本当にうれしい。ただそれは、クラブの魅力が増していることだと捉えています」

 そう話すのは、2018年まで主将を務め、現在はクラブのリレーションズチームキャプテンとスポーツダイレクターを兼任する河合竜二氏だ。彼の現役最終年となった2018年シーズンから指揮を執るミハイロ・"ミシャ"・ペトロビッチ監督にとって、浦和時代の愛弟子である興梠の加入は、その魅力的なアタッキングスタイルをさらに進化させるための重要なピースと言える。

「慎三は今でもJリーグでトップ3に入るストライカーだと思います。うちは特に昨季、いい形でチャンスをつくることはできても、最後に決めきれないシーンが多かった。慎三にはそこでの決定力を期待したいですね。あと、彼のボックス内の得点感覚や相手守備陣の裏に抜ける動きなどは、若手にとって大いに参考になるはず。一流のプレーを間近で見れば、若い選手たちは大きく成長できるでしょう」(河合氏)

 その若手アタッカーの筆頭は、大卒2年目の小柏剛だ。ルーキーシーズンにリーグ戦で30試合7得点(チーム2位タイ)を記録した小柄な快速アタッカーは、昨年12月には日本代表にも初招集されている。シャビエルの左足から放たれるスルーパスに、小柏が瞬時に抜け出すシーンは、想像するだけでワクワクする。

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