湘南ベルマーレ、横浜FCが残留するためには何が必要か。直接対決は湘南に軍配 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 決勝点の場面では、交代で入ったアルトゥール・シルバの相手へのマークが甘かった。また、自陣ゴール前に落ちたボールへの反応も、わずかだが遅れていた。総力戦で敗れた感は強い。

 奇跡の残留を目指すには、サウロ・ミネイロだけでは厳しい。切り札となり得るのは松尾か。

 松尾は圧倒的スピードと卓抜したボールスキルで、マーカーを翻弄することができる。湘南戦の先制点もそうだが、彼の才能は崩し役にとどまらない。自ら強いプレスをかけてボールを奪うと、あっという間に入れ替わってドリブルから、GKとの1対1を冷静に撃ち抜いた。シュートは足の振りが速く、冷静沈着で、J1でもトップレベルだ。

「今日は自分が得点するつもりで入って。きれいではなかったですけど、前線からのプレッシャーで泥臭くゴールできました。チームがどんな状態でも(点を)取れるように、このゴールは自信になるはずです」(横浜FC・松尾)

 次節は11月3日。湘南は敵地でコンサドーレ札幌と、横浜FCは本拠地でサガン鳥栖と対戦する。両者とも、トーナメント戦のような心地かもしれない。「負けられない」という切迫感がドラマを生む。

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