「J2降格」危険水域は7チーム。アフターオルンガに苦しむレイソルの救世主は? (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 ピッチ外でも10番を背負う江坂任が浦和へ移籍し、今季のブレイクが期待された呉屋大翔も大分トリニータへと移った。大黒柱の大谷秀和の負傷離脱も小さくないダメージだろう。

 ところが、そんなネガティブな空気を一掃したのが、第22節の鹿島アントラーズ戦だった。粘り強い守備からの縦に速いサッカーを展開し、好調チームを終始圧倒。2−1とスコアは僅差だったが、快勝と言える内容だった。

 救世主となりそうなのが、ペドロ・ハウルだ。ブラジル出身の長身ストライカーは4月に合流するも、ケガでピッチに立てない状態が続いていた。しかし湘南戦で初スタメンすると、2得点1アシストといきなり結果を出し、鹿島戦でも豪快な一撃を叩き込んでいる。

 持ち味は力強いポストワークだ。後方から躊躇なく縦パスを出せるのも、起点となれるこの男の存在が大きいだろう。裏抜けを得意としたオルンガとは異なるスタイルで、柏の攻撃に推進力を生み出している。

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 ペドロ・ハウルのフィットはクリスティアーノの復調も促している。鹿島戦で先制ゴールを奪った柏のエースは「私自身は起点となれるFWとプレーするのが好き。とてもいいホットラインができているし、試合を積み重ねていけば連係も向上していくと思っている」と、新たな相棒の存在を好意的に受け止めている。

 ほかにもポジティブな材料が生まれつつある。19歳の細谷真大が横浜FM戦でプロ初ゴールを奪ったことは攻撃の選択肢を増やすことにつながるだろうし、3バックの安定感が高まっている点も残留争いを抜け出すファクターとなるはずだ。

 さらにここへきて、浦和から武藤雄樹の加入も決まった。経験豊富なアタッカーがチームにもたらす影響力は、確実に柏にとってプラスになるだろう。

"アフターオルンガ"に苦しんだ柏に、ひと筋の光明が見えている。果たしてリーグ戦再開後に待ち受けるのは、降格の恐怖か、それとも未来へとつながる希望だろうか。

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