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ユンカーは成功の条件がそろっている。連続ゴールで浦和は上昇傾向

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

福田正博 フットボール原論

■浦和レッズの新外国人FW、キャスパー・ユンカーがゴール量産。加入後すぐの大活躍でチームは上昇曲線を描き始めた。その成功の要因は何なのか? 今後も活躍しつづけられるのか? 福田正博氏に解説してもらった。

しっかり点を取る。ユンカーのプレーから目が離せないしっかり点を取る。ユンカーのプレーから目が離せない 浦和レッズから、久しぶりに明るい希望が発信されている。その一つが、デンマーク出身の新外国人FWキャスパー・ユンカーだ。

 4月に契約を結んで合流し、5月にJリーグデビューを飾ったばかりだが、すでに出場4試合で5得点。リーグ戦出場すべての試合でゴールネットを揺らす、すばらしいパフォーマンスを見せている。

 昨シーズンは、ノルウェーリーグで25試合27ゴールを決めて得点王を獲得。ただし、それ以前はそれほどゴールを決めてはおらず、デンマーク代表経験もない。27歳という年齢がネックになって、プレミアリーグやブンデスリーガなどの欧州5大リーグへの移籍が難しかったのだと思うが、持っているモノは間違いなく高いレベルにある。

 左利きで技術がしっかりあって、足も速く、ペナルティーエリア内でDFと駆け引きをしながらポジショニングで勝負する。じつにストライカーらしいストライカーだ。

 ここ数年の浦和が獲る攻撃的な外国籍選手は、ほかのJクラブから獲得するケースが多かった。それが今回は欧州リーグからの獲得で、こうしたユンカーのストロングポイントをしっかりスカウティングしていたことがわかる。

 ユンカーは身長186cmで、ガンバ大阪戦では田中達也のクロスからヘディングシュートでゴールも奪っているが、高さやフィジカル任せの選手ではない。

 フィジカル頼みの外国籍選手は、高さや強さで劣る日本選手を相手にした時は強さを発揮するものの、同じようなフィジカルの強さを持つ外国籍DFらとマッチアップすると、良さを発揮できなくなるケースがある。それは、彼らがアドバンテージにしているフィジカルの優位性が消えてしまうからだ。

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