サポーターに深々と頭を下げたイニエスタ。日本、そして神戸との「絆」

  • 高村美砂●文 text by Takamura Misa
  • photo by ⓒVISSEL KOBE

 37回目の誕生日を迎えた5月11日、ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタは2年の契約延長を発表した。

 2018年6月の来日から3年。世界的スーパースターは、Jリーグのピッチでも変わらない輝きで多くのサッカーファンを魅了してきたが、あと2年、そのプレーをJリーグの舞台で楽しめるのだ。

ヴィッセル神戸との契約を延長したイニエスタ。(c)VISSEL KOBEヴィッセル神戸との契約を延長したイニエスタ。(c)VISSEL KOBE 会見の席に同席した三木谷浩史会長も、彼の功績を讃えるとともに、期待を言葉に変えた。

「世界ナンバーワンのテクニックとサッカー頭脳は予想をはるかに上回るものだったと思いますが、それ以上に『利他の精神』と言いますか、チームだけではなく、周囲の人や社会に対する思いやり――エル・クラシコでレアル・マドリッドのサポーターがスタンディングオベーションをする選手はおそらく、アンドレスだけだと思いますが、その意味がよくわかるなと思います。

 彼の存在によって、ヴィッセルのステータスが上がったという以上にJリーグに対する世界的な認知も高まったと思いますし、キャリア前半の有望な若い選手が日本に来てプレーすることが増えたという流れも、彼が果たした大きな貢献じゃないかと思っています。

 今回の契約延長は、単なる契約延長にとどまらない、ヴィッセル神戸がアジアのナンバーワンになるというプロジェクトに継続的に参加し、引っ張っていくという意味があると理解していただきたい。彼のプレー、哲学、サッカーに取り組む姿勢というものが、サッカーをしている若者だけに限らず、日本全体に大きな影響を与えてくれるんじゃないかと私自身も期待しています」

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