J1勢力図に大異変となるか。浦和、鹿島、柏...に早くも見え始めた「遅れて来た外国人」効果 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 開幕3連敗の最下位から12位まで順位を上げてきた湘南にしても、7シーズンぶりにチームに復帰した新戦力、FWウェリントンが貴重な働きを見せている。

 湘南は現在リーグ戦で8戦無敗が進行中とはいえ、その間の成績は2勝6分け。スコアレスドローが4試合もあり、得点力不足が勝ち点獲得の足かせとなっていることは明らかだった。

 そんななか、ウェリントンは4月25日のJ1第11節清水エスパルス戦で今季初出場を果たすや、いきなりゴール。すべて途中出場ながらリーグ戦3試合出場で2ゴールを決め、チームの得点源となり始めている。昨季最下位からの挽回を目指す湘南にとっては、待ちに待った新戦力といったところだろう。

 その他にも、まだわかりやすい形で結果こそ出てはいないが、可能性を感じさせる新外国人選手が、続々とJリーグのピッチに立っている。

 アンドレス・イニエスタの契約延長に沸くヴィッセル神戸では、ケニア人FWのアユブ・マシカがリーグ戦3試合に出場。うち先発出場は1試合だけと、今のところ確かな戦力にはなり得ていないが、時折見せる際立った瞬発力は、きっかけひとつでブレイクしそうな気配を漂わせる。

 また、15位と苦しむ柏には、DFエメルソン・サントス、MFドッジ、MFアンジェロッティ、FWペドロ・ハウルと、大量4人のブラジル人選手が新加入。いずれもリーグ戦では先発出場がなく、ルヴァンカップも活用しながらチームへの適応を図っている段階ではあるが、柏にはもともとブラジル人選手が多く在籍しており、彼らが馴染みやすい土壌はある。うまくチームに取り込むことができれば、互いの相乗効果も含め、大きな戦力アップにつながる可能性はあるだろう。

 川崎を追いかける各チームにとっては、ようやくかなった新外国人選手の合流。これが、J1の序列を変える引き金になるかもしれないだけに、いわば"第二のシーズン開幕"を迎えた現在、しばらくは彼らの動きを注視しておく必要がありそうだ。

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