湘南GK・谷晃生が大谷翔平に憧れるわけ。世界で活躍する野心は隠さない (4ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by AFLO

「OA枠については難しいですね。経験のある選手がいて、チームにもたらしてくれるものは大きなものだと思います。同世代だけでやりたいか? うーん、今回は世代別といっても限りなくA代表に近いですし、結果が大事だと思っているので......」

 目標は「金メダル」と谷は言う。世界が注目する大会で活躍したいという野心を、谷は隠そうとしない。

「世界で通用するかどうか、やってみないとわからないですが、まずそのチャンスを自分でつくっていかないといけない。東京五輪がそのきっかけになるのか、リーグ戦に出続けることがきっかけになるのかわからないですけど......。GKは世界に出ていくのが難しいと言われていますが、難しいで終わらせたくはないです」

 東京五輪が終われば、来年のカタールW杯への戦いが始まる。

「まずは東京五輪が目前の大きな目標になります。そこで結果を残すことができれば、次の道も見えてくる。もちろん、W杯も出たいですね。そこで優勝することが最終目標なので。6歳の時に初めて見たドイツW杯で、優勝したイタリア代表の選手たちがトロフィーを掲げるのを見た時、自分もそれをやりたいと思ったんです」

 誰も達成したことのないことをやり遂げたい──谷を突き動かすものは「前人未到」への挑戦なのかもしれない。それゆえ、谷が憧れるヒーローが「大谷翔平」というのも頷ける。

「二刀流ってすごいですよね。それをメジャーで実現しているのはすごい。サッカーでいうとFWとGKみたいなものじゃないですか。自分も点を取りたいですし、取らせたくない。大谷選手を見て、子どもたちはそういう選手になりたいと思うでしょうし、僕もそれぐらい影響力のある選手になりたいと思っています」

 谷も小学生の頃、前半はFWで点を取って、後半はGKとしてゴールを守っていた。その頃の名残か、今もゴールへの欲求は強い。

「今も点を取りたいですよ」

 ゴールを守りながら、常にゴールに直結するプレーを意識する。そうした発想が、GK谷晃生をさらに進化させていくはずだ。

プロフィール
谷晃生(たに・こうせい)/2000年11月22日、大阪府生まれ。ガンバ大阪の下部組織出身。2017年3月12日、ガンバ大阪U-23としてJ3・ガイナーレ鳥取戦でJリーグ初出場を果たす。16歳3カ月18日での出場は、歴代5位の年少出場記録となった。2018年にガンバ大阪に入団。2019年12月に湘南ベルマーレへ期限付き移籍した

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