無名で来日→まさかのブレイク。Jリーグから大出世した助っ人たち【2020年度人気記事】
2020年度下半期(20年10月〜21年3月)にて、スポルティーバで反響の大きかった人気記事を再公開します(10月24日配信)。
東京V時代のフッキはJリーグレベルを超えていた Jリーグの歴史を紐解けば、外国籍選手の存在を抜きには語れない。規格外のパフォーマンスで今季のJ1を席巻する柏レイソルのオルンガのように、いつの時代も強烈な"助っ人たち"がチームの浮沈を左右する影響力を放っている。
開幕当初はジーコ、リトバルスキー、リネカー、ブッフバルトら、すでに峠を過ぎていたとはいえ、世界的な知名度を備えたスター選手たちで賑わった。しかし"バブル期"は長く続かず、各クラブは身の丈に合った補強にとどまり、ワールドクラスの獲得はほぼなくなった。
近年になってようやく、親会社が世界戦略を打ち出すヴィッセル神戸がアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキとビッグネームを次々に獲得し、大きな話題を振りまいた。もっとも、巨大なマーケットを備える欧州には太刀打ちできず、全盛期にある世界的名手は今なおJリーグの舞台でお目にかかることができていない。
とはいえ一方で、来日時には無名であっても、Jリーグで下積み生活を送り、のちに世界に羽ばたいていった選手も存在する。今回はその中から、Jリーグで研磨を積み、母国の代表にまで上り詰めた選手たちを紹介していこう。
その筆頭は、リーグ黎明期にヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)に在籍したアモローゾだろう。
1992年7月にブラジルのグアラニからの期限付き移籍で加入した19歳のストライカーは、サテライトリーグで結果を出しながらも、当時最強を誇ったV川崎の分厚い選手層に阻まれた。外国籍選手枠の影響も受け、ついにJリーグの舞台に立つことがないまま、帰国の途についている。
その意味ではJリーグの経験がのちの成長を促したとは言い難いが、日本一のタレント軍団のなかに身を置いた日常が、伸び盛りのティーンエイジャーのポテンシャルを開花させたことは想像に難くない。
1 / 4