2021.04.23

J序盤戦、移籍が成功の選手「ベスト3」。新天地で輝いているのは誰か

  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

守田英正の抜けた穴を埋めたシミッチ
川崎の独走態勢を築いた大きな要因

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位=ジョアン・シミッチ(川崎フロンターレ/MF)

 今季J1連覇を狙う川崎フロンターレにとって、守田英正が抜けた穴はアキレス腱になりかねなかった。

 だが、チームの"へそ"とも言うべき場所にポッカリと空いた大きな穴は、ここまでほとんど気にならない。今季新加入のジョアン・シミッチ(名古屋グランパス→)が埋めているからだ。

 守田の背番号6を引き継いだレフティーは、開幕当初こそやや遠慮が見られた。実際、多くの試合で先発出場しながら、比較的早い時間に途中交代で退くことがほとんどだった。チームのやり方をまだ把握し切れていない部分があったのかもしれない。

 しかし、試合を重ねるにつれ、彼らしいセンスのいいパスでチャンスメイクする機会が増えた。序盤戦の出来から想像した以上に、チームへの適応は早かった。川崎が早くも独走態勢を築きつつある、大きな理由のひとつである。


2位=明本考浩(浦和レッズ/MF)

 正直なところ、J2の栃木SCからの移籍であり、それほど注目して見ていたわけではなかったが、だからこそのサプライズ的要素も含め、これまでの活躍度はかなり高い。

 同じ浦和レッズの新戦力で言えば、主にトップ下で攻撃の中心的役割を務める小泉佳穂(FC琉球→)のほうが注目される存在なのかもしれない。だが、ドリブル突破にしても、フリーランニングにしても、一つひとつのプレーに馬力があるうえ、前から後ろまでのポジションを左右問わずこなせる自在性も備える明本に、むしろポテンシャルの高さを感じる。

 現在のプレーぶりだけを絶対値で計れば、彼以上の働きをしている今季新戦力は他にもいる。しかし、さらに化ける可能性も加味すれば、かなり面白そうな選手である。


3位=大久保嘉人(セレッソ大阪/FW)

 今年39歳。昨季はJ2東京ヴェルディで19試合出場ノーゴール。今季セレッソ大阪への移籍も、引退の花道を飾るためのものかにも思えた。だが、さすがは3年連続(2013年~2015年)でJ1得点王に輝いた点取り屋である。

 いきなりの開幕戦でのゴールを皮切りに、3試合連続ゴールでチームに勢いをもたらした。

 今季のC大阪は、クラブの顔であった柿谷曜一朗や、守備の要のマテイ・ヨニッチら主力が流出し、少なからず不安要素を抱えていた。もしAFCチャンピオンズリーグ出場の負担に足を引っ張られるようなことがあれば、(2014年がそうだったように)大きく低迷する可能性すらあっただろう。

 大久保加入がチームにもたらした影響は、有形無形を問わず、大きなものに見える。