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齋藤学が移籍を決意した理由。「あの1点がなかったらしていないかも」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●取材・文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

 川崎でリーグ戦を2回制覇し、ルヴァン杯、天皇杯を勝ち取った経験がある齋藤は、優勝するために必要なものを、肌で感じ、理解している。2010年のリーグ戦制覇以来タイトルから遠ざかっている名古屋にとって優勝経験値のある選手の加入は大きい。

「僕の優勝経験が、どう活きるのかはわからないですが、フロンターレは強くて、うまかった。ただ、技術が高いだけじゃなくて、体の使い方とか、ひとつひとつの求めるプレーが厳しい。例えば、球際とか、もういいよっていうぐらい言われる。そう考えてみるとサッカーって気持ちが大事だと思います。名古屋では、バチバチに戦う気持ちを見せていきたいです」

 もともと齋藤は球際に厳しくいくタイプ。マリノス時代、フロンターレと対戦した時、エースの中村憲剛をガツガツと潰しに行った。明らかに削りに行った時もあったので、川崎に入団時、憲剛のところに行き、齋藤は「すいませんでした」と詫びたという。憲剛は引退したが、川崎には家長や小林悠、三笘ら厳しく行きがいのある先輩や後輩たちがいる。マリノス戦や川崎戦は、より魂のこもった熱い戦いを見せてくれるだろう。

 自分のパフォーマンスを上げ、得点やアシストが増えれば、その先に見えてくるものがある。それが日本代表だ。2016年以降、齋藤は日本代表から遠ざかっている。

「今も日本代表は自分が目指すべき場所だと思っています。でも、フロンターレでは3年間、活躍できていないので、日本代表とかは言ってられませんでした。

 ただ、僕はこれからだと思っています。悠君も憲剛さんもアキ君も俊さんも30代でMVPを取っているし、35歳を超えた(ズラタン・)イブラヒモビッチもミランで活躍している。自分も名古屋でびっくりするぐらいの成績を残せば、代表の可能性が見えてくるだろうし、それがいろんな人の勇気になればいい。とにかく今は名古屋で監督の信頼を得て、試合に出られるようにならないと何も始まらないし、日本代表も語れない。名古屋で結果を出して、ようやく僕は日本代表になりたいんですって言えると思っています」

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