2021.02.11

降格は4チーム。今季J1の特別ルールが各クラブに及ぼす影響は

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Fujita Masato

◆J1移籍状況で見極める戦力ダウン必至のチームワースト3>>

 それはヴィッセル神戸にも言えることだ。今季の神戸は、監督人事、選手補強のすべてに後手を踏んでいる印象が拭えない。昨季はアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を戦うために戦力をかき集めたが、今季は人員整理が優先されて、補強は後回しになった印象だ。アンドレス・イニエスタありきの構成になるだけに、ハマった時は圧倒的な強さを見せるが、守備陣への負担は大きく安定感に欠ける。勝ち点で争うリーグ戦で、安定感のないチームは苦しいシーズンになるのではないかと思う。

 昨季は降格がなかったことで、成績が芳しくなくても、監督交代の大ナタをふるうケースは少なかった。しかし、今季は自動的に下位4チームが降格。少しでもチームの調子が落ちてくれば、すぐに監督交代に踏み切るケースは増えると予想できる。

 そうしたシーズンにあって、戦力的に見劣りするチームは、戦い方に難しさがある。たとえば横浜FC。昨年は下平隆宏監督の下でDFラインからボールをつなげる、自分たちの理想のサッカーを追い求める戦いができた。そのなかで若い選手が経験を積み、成長をとげることができた。しかし、今季は勝ち点が思うように稼げない時は、方針転換を強いられるかもしれない。

 これは横浜FCに限った話ではない。理想を追求しても結果がともなわなければ、どのチームでも現実的な路線を走ることになるはずだ。逆の見方をすれば、シーズン当初の戦い方から早々に方針転換したチームは、残留争いを意識して舵を切ったと見ていいだろう。

 もうひとつ今季の見どころと考えているのが、昨シーズンに頭角を現したルーキーたちが、プロ2年目の壁を乗り越えるかどうかだ。

 昨季はレギュレーションの後押しもあって、どのチームも積極的に新人選手を起用し、使われた選手たちもチャンスをモノにしてJリーガーとしての存在感を発揮した。しかし、プロ選手というのは、前年以上の成績を残したいと思うもの。それによって考えすぎて迷路にハマって調子を崩すケースは往々にしてある。