ルヴァンカップ決勝の不思議。なぜか未来のスター候補が次々に躍動 (2ページ目)
まだ記憶に新しいところでは、2018年の第26回大会決勝がある。横浜F・マリノスを1-0と下し、湘南ベルマーレにクラブ初タイトルをもたらしたのは、20歳の杉岡大暉だった。
36分、ゴール正面でこぼれ球を拾った杉岡は、躊躇なく左足をひと振り。ホップしたようにさえ見えた弾丸シュートは、GKが伸ばした手を弾き飛ばすように、ゴールネットに突き刺さった。
こうして20歳前後の若い選手たちが、次々に"オイシイところ"を持っていくルヴァンカップ決勝だが、なかでも"ニューヒーロー誕生の瞬間"として印象深いのは、鹿島が連覇を成し遂げた2011年、2012年の第19回、20回大会である。
それぞれの大会の決勝で殊勲の決勝ゴールを決めたのは、いずれも現在、日本代表の主力として活躍するふたりだった。
まずは、通算3度目となる浦和と鹿島の顔合わせになった、2011年の第19回大会決勝である。
試合は立ち上がりから、リズムよくボールを動かす浦和が主導権を握る形で進んでいた。
だが、なかなか最後のところを崩し切れず、決定機は作れない。対照的に、鹿島はカウンター中心の攻撃ではあったが、むしろ浦和以上にシュートチャンスを作っていた。
今や日本代表の絶対的な存在にある大迫勇也もルヴァンカップ決勝で躍動した そんな鹿島の攻撃において、重要な役割を担っていたのが、2トップの一角を担う21歳、大迫勇也だった。
DFを背負ったときに無類の強さを見せる背番号9は、力強いボールキープから味方を使ったり、自らターンして前を向いたりと、効率のいいチャンスメイクが目立っていた。
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