日本代表を目指せ! 2021年Jリーグでブレイク必至の5人 (3ページ目)

  • 佐野美樹、ヤナガワゴーッ!、山添敏央●写真 photo by Sano Miki、Yanagawa Go、Yamazoe Toshio

 今季J1でも、第21節までに出場した試合数はわずかに2。時間にして合計15分。秘めたる才能に疑いはなくとも、粗削りゆえ、プロの練習でもっと鍛える必要があるのだろうと想像できた。

 ところが、才能の発芽は急だった。

 畑は第23節で初めて先発起用されると、以降は最終節まで13試合連続先発出場。一瞬で相手DFを振り切る抜群の加速力で、たちまち主力の座を手にしてしまったのである。

 ポジションこそ、高校時代とは逆サイド(3-5-2の左アウトサイドMF)に移った。だが、本人によれば、「僕のよさを最大限生かせる配置にしてもらっている」という。

 高卒ルーキーながら、デビューシーズンで15試合1170分出場。ブレイク前夜の俊英は、課題が多いのは確かでも、だからこそ底知れぬ可能性を感じさせる。

複数のポジションをこなす「実戦派」
成瀬竣平(名古屋グランパス)

中山淳(サッカージャーナリスト)

 2019年はリーグ戦の出場がわずか1試合で出場時間は45分。ところが2020年のリーグ戦では25試合に出場し、スタメン18試合、出場時間は1682分に急増した。昨年は多くのティーンエージャーが台頭したが、18歳の成瀬峻平の成長速度はそのなかでも突出していた印象だ。

2000年、出場時間を大幅に増やした成瀬竣平(18歳、名古屋グランパス2000年、出場時間を大幅に増やした成瀬竣平(18歳、名古屋グランパス 開幕当初、右SBのレギュラー宮原和也の負傷により、成瀬にとっては降って湧いたような出場機会といえたが、そのチャンスを逃さずに定位置を確保したこと自体が、いい意味で予想外だった。

 シーズン終盤こそ夏に加入した韓国代表オ・ジェソクにスタメンを譲ったが、試合を重ねるごとにレギュラー格の雰囲気を漂わせたことは驚きでもあった。気がつけば、「吉田豊、丸山祐市、中谷進之介、成瀬」の鉄板バック4が完成。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得にも大きく貢献した。

 風間八宏前監督のもと、2018年に17歳でプロデビューを果たした成瀬は、決してテクニックのレベルが高いとはいえないが、スピード、スタミナ、ゲームセンスに優れているのが最大の特長。両SB、MF、ウィングと複数ポジションをこなす器用さも兼ね備え、左右両足を使えるという"売り"もある。技術に頼りがちな日本人の若手には数少ない"実戦的"な選手で、試合のなかで伸びていくタイプと言える。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る