日本代表を目指せ! 2021年Jリーグでブレイク必至の5人 (2ページ目)
「とにかくスピードがある」と、鳥栖のチームメイトたちは口をそろえる。初速が速く、ステップも細かい。守るにも攻めるにも、それだけでアドバンテージだ。
2020年8月、クラブ史上最年少出場記録でデビューを果たした中野伸哉(17歳、サガン鳥栖) もっとも、単純な速さだけではない。初動が早い理由は、予測力にある。半歩だけで違う風景になるのがトップレベルのサッカーだが、彼は常にプレーを読み、適切なポジションを取ることができる。
最終節の大分トリニータ戦でも、4回、5回とインターセプトに成功する一方、ボールを引き出す動きだけでマークに来た相手を置き去りにし、攻撃に転じていた。敵味方の動きを読み、スペースを認知し、何よりタイミングを心得ている。間合いが抜群で、居合斬りのように一瞬で相手と入れ替われるのが特徴だ。
こうしたセンスはトレーニングで鍛えるのは限界がある。中野はそれを天分のように持ち合わせている。
左利きでありながら、右足でも同じように蹴れるというのも、大きな利点と言えるだろう。相手は的を絞れない。自ずとプレーの選択肢が豊富になるのだ。
2021年、中野はJリーグを代表する左サイドバックになっても不思議ではないだろう。コロナ禍で不透明とはいえ東京五輪代表のメンバー入りも不可能ではないし、日本代表も遠くはない。「最低でも代表になれる器」であり、その飛躍は日本サッカーの希望だ。
抜群の加速力を誇るサイドアタッカー
畑大雅(湘南ベルマーレ)
浅田真樹(スポーツライター)
毎年のように主力を他クラブに引き抜かれながらも、新たな若手を代わりの主力に育てる。そんな育成型サイクルが、この10年ほどは滞ることなく続いている湘南ベルマーレにあって、2020年シーズンはまたひとり、楽しみな10代が台頭してきた。
18歳のサイドアタッカー、畑大雅である。
2020年8月、プロデビューを果たした畑大雅(18歳、湘南ベルマーレ) 2019年、畑はU-17日本代表の右サイドバックとしてU-17ワールドカップに出場。スピードを生かした攻撃力を武器に、日本のベスト16進出に貢献した実績を持っている。
だが、当時の畑は「経験を積み重ねながら、周りの選手に技術や判断でも追いつこうと取り組み、だいぶ成長した」(森山佳郎U-17日本代表監督)とはいえ、まだまだ優れたポテンシャルを持て余している印象は否めなかった。
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