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元祖イケメンJ助っ人。引退後にフィギュア選手に転身した「王子」とは? (4ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 そして現役引退後、イルハンが久しぶりに日本のファンにその姿を見せたのは、2008年6月のこと。中田英寿の呼びかけで実現したエキシビションマッチに、ジョゼ・モウリーニョ監督が率いるワールドスターズの一員として参加して2得点を決めた。

 キャリアを終えたサッカー選手は、指導者の道を歩むケースが少なくない。イルハンは引退表明時、「将来はイタリアかドイツでファッションを勉強して、ランジェリー関係の仕事をしたい」と希望していた。だが、イケメンが選択していた道は、きらびやかな装飾のつくり手ではなく、それを身にまとった演者側だった。

 2008年、テレビ番組の企画でフィギュアスケートのショーに出演。それが契機となってペア種目に取り組み、2013年、ソチ五輪の最終予選大会でフィギュアスケートのペア種目に公式戦デビュー。残念ながらソチ五輪出場は叶わなかったものの、2015年まではイケメンだからこその"映え"を銀盤でも見せた。

◆功績大のJリーグ助っ人バンディエラたち。商店街に名前が残る選手も>>

 その後はサッカー界に戻り、古巣ベシクタシュでコーチを務めていたが、昨年2月に腰痛が原因でクラブを退団。現在のイルハンについては、彼のインスタをチェックするとお目にかかれるが、年齢を重ねたことで加わったシブみで磨きのかかったイケメン画像にあふれている。

 2002年以降、数多くのイケメンJリーガーがメディアに登場した。だが、いまだイケメン選手としてイルハンに並ぶほどの圧倒的な人気を集める選手はいない。大ブームを巻き起こして以降、選手としては不完全燃焼に終わったイルハンだが、もし故障がなくてもっと試合に出られていたら、Jリーグは違う方向へと発展していたかもしれない。

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