2020.12.15

Ⅴ・ファーレン長崎の逆転昇格はあるか。不利な立場も追う者の強みはある

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 もちろん、勝ち点差が詰まったとはいえ、三つ巴の争いのなかで、長崎が最も不利な立場にいることに変わりはない。

 長崎に上位2クラブとの直接対決が残されていない以上、あくまでもJ1昇格は他力本願。残り2試合で長崎が連勝しても、徳島が勝ち点2以上を、福岡が勝ち点4以上を加えてしまえば、逆転は不可能となる。

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 しかしながら、この争いの妙は最終の第42節で徳島と福岡の直接対決が残されていること。つまりは、上位2クラブが潰し合ってくれることだ。

 しかも、残り2試合をともにホームで戦えるのは、上位3クラブでは長崎のみ。他力本願とは言うものの、残り2試合を連勝で終えることさえできれば、J1昇格の可能性はそれほど低いものではない。

 これまでJ1、J2で、あるいは日本代表で、数々の修羅場をくぐってきた角田は、悲壮感とは無縁の笑顔で「非常におもしろいシチュエーションになってきた」と語り、「僕たちは勝って、(昇格の)可能性を信じるだけ」と、ラスト2試合に必勝を期す。

 熾烈な昇格争いにおける「もうひとつの敵」は、恐らく長崎だけのものではないだろう。

 それどころか、より強くそれを感じているのは、むしろ昇格圏内にいる2クラブかもしれない。だとすれば、この争いが確率上、最も意外な結末を迎えたとして不思議はない。

 手倉森監督は力を込めて言う。

「サポーターと最後に歓喜を味わいたい。残りふたつ、長崎全体で戦っていきたい」

 長崎の逆転昇格はなるのか。最も不利な立場も、見方を変えれば、追う者の強みになる。

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