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ソフトバンクに続くか。J1昇格目前のアビスパ福岡に求められること (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 パスワークを得意とする東京Vを高い位置から守備の網にかけ、奪ったボールを素早く前線につなぐ。と同時に、相手の背後へ走る、あるいはボールの後方からサポートするなど、ピッチ上の選手たちがシステマティック、かつスピーディーに、それぞれのポジションを的確に取ることで厚みのある攻撃につなげていた。

 結果的に、オウンゴールによる1得点のみにとどまったが、ボール奪取からの縦パスを合図に、一気にスピードアップする攻撃は悪くなかった。

 そもそも、それほど多くの得点ができるチームではない。今季J2での21勝のうち、13勝が1-0の勝利だったように、ロースコアゲームこそが福岡の"十八番"である。

 堅守が武器、と表現してしまうと、本来の姿は伝わりにくくなるが、高い位置からの積極的な守備と素早い攻撃への切り替えで主導権を握り、いくつかあるチャンスのひとつを仕留める。それが、福岡の勝ちパターンであることは確かだろう。

 山岸は「(1-1に)追いついて、そこから2-1に持っていくゲームにしないと。チャンスを決め切ることにもっとパワーを出していきたい」と語っていたが、もちろん、2点目が取れるに越したことはない。

 しかし、そのことばかりにフォーカスしてしまえば、せっかく確立されている戦い方が揺らぎかねない。

「この勝ち点1を無駄にせず、一喜一憂しないでやることが大事。(試合後の)ロッカールームの雰囲気も悪くなかった。こうしようという声も出ていたし、もっとよくなる」

 山岸がそう続けたように、シーズン大詰めの現在、肝要なのは、自分たちが築いてきたサッカーを自信を持って貫くことだ。

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