2020.11.09

中村憲剛が見せた次元の違い。サッカーIQの高さを証明したワンプレー

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question
三笘のドリブル場面。中村憲剛はどこへ動いたか?

 FC東京との多摩川クラシコを2-1で勝利した翌日。川崎フロンターレの中村憲剛が、今季限りでの現役引退を表明した。

 40歳という年齢で言えば、決して驚くことではない。昨年の左膝前十字靭帯損傷の大ケガから、むしろよくまたピッチに立てたとさえ思う。しかしそれでも前日のハイパフォーマンスを見た誰もが、中村の発した引退の二文字に驚いた。

 川崎一筋18年。練習生から入団したクラブに現役のすべてを捧げた。卓越したテクニックに広い視野、正確な判断力、中村は日本屈指のボールプレイヤーとしてJリーグを象徴する選手でありつづけた。

 とりわけキャリア終盤の中村は、衰えるどころか年々進化を遂げ、プレーはより洗練された。なかでも風間八宏前監督と出会ってからは、攻撃の最終局面へ積極的に顔を出すようになり、相手にとってより危険な選手となっていた。

三笘が左サイドからドリブルを仕掛けるシーン。中村憲剛はどのような動きを見せただろうか 多摩川クラシコでの得点も、まさにそんなシーンだった。後半29分、左サイドで三笘薫がドリブルで仕掛けようとするこの場面で、中村はどんな動きをしただろうか?