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中村憲剛が見せた次元の違い。サッカーIQの高さを証明したワンプレー

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question
三笘のドリブル場面。中村憲剛はどこへ動いたか?

 FC東京との多摩川クラシコを2-1で勝利した翌日。川崎フロンターレの中村憲剛が、今季限りでの現役引退を表明した。

 40歳という年齢で言えば、決して驚くことではない。昨年の左膝前十字靭帯損傷の大ケガから、むしろよくまたピッチに立てたとさえ思う。しかしそれでも前日のハイパフォーマンスを見た誰もが、中村の発した引退の二文字に驚いた。

 川崎一筋18年。練習生から入団したクラブに現役のすべてを捧げた。卓越したテクニックに広い視野、正確な判断力、中村は日本屈指のボールプレイヤーとしてJリーグを象徴する選手でありつづけた。

 とりわけキャリア終盤の中村は、衰えるどころか年々進化を遂げ、プレーはより洗練された。なかでも風間八宏前監督と出会ってからは、攻撃の最終局面へ積極的に顔を出すようになり、相手にとってより危険な選手となっていた。

三笘が左サイドからドリブルを仕掛けるシーン。中村憲剛はどのような動きを見せただろうか三笘が左サイドからドリブルを仕掛けるシーン。中村憲剛はどのような動きを見せただろうか 多摩川クラシコでの得点も、まさにそんなシーンだった。後半29分、左サイドで三笘薫がドリブルで仕掛けようとするこの場面で、中村はどんな動きをしただろうか?

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