オルンガとエムボマ、どっちがすごい?Jに衝撃を与えるアフリカン (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

かつて一世を風靡した「浪速の黒豹」パトリック・エムボマ。photo by (C)Hitoshi Mochizuki/AFLO FOTO AGENCYかつて一世を風靡した「浪速の黒豹」パトリック・エムボマ。photo by (C)Hitoshi Mochizuki/AFLO FOTO AGENCY エムボマは続く第2節(対横浜マリノス=当時)でも、日本代表が居並ぶ守備陣を手玉に取るループシュートを、さらに第3節(対清水エスパルス)では、およそ30mのロングシュートを立て続けに決めるなど、毎試合のように驚愕のゴールを披露した。

「あんなヤツ、連れてくるなんて反則だ」
「Jリーグの常識を超えている」

 試合後、対戦相手の選手からは、そんな嘆きが聞かれたほどだ。

 ときは誕生から5年目を迎えたJリーグの人気低迷が囁かれていた時代である。"浪速の黒豹"は、所属するG大阪(当時は万年下位クラブだった)はもちろん、Jリーグにとっても、まさに救世主だったのだ。

 結局、エムボマはそのシーズン、カメルーン代表として国際試合もこなしながら、リーグ戦28試合に出場し、25ゴールを記録。得点王を獲得するとともに、ベスト11にも名を連ねている。

 Jリーグではエムボマ以降も、サンフレッチェ広島時代にはJ1得点王となり、現在も京都サンガに所属するピーター・ウタカ(ナイジェリア)など、アフリカ人選手の活躍はあったが、当時Jリーグ史上最強助っ人とも称された先駆者に肩を並べられるのは、オルンガくらいだろう。

 では、オルンガとエムボマ、レフティーという点で共通するふたりのFWは、どちらがJリーグ史上最強のアフリカンストライカーなのだろうか。

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