2020.09.23

カズ、J1最年長出場記録更新!
いまこそ振り返りたいキング伝説の数々

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • ヤナガワゴー!●撮影 photo by Yanagawa Go

◆北澤豪が語る「カズとのW杯代表メンバー落選」>>

川崎フロンターレ戦に出場し、Jリーグ最年長出場記録を塗り替えた三浦知良(横浜FC) 川崎フロンターレ戦に先発出場し、53歳6カ月28日でJリーグ最年長出場記録を塗り替えたキング・カズこと三浦知良(横浜FC)。今回は、今もなお語り継がれている"伝説"の数々を紹介しよう。

 そもそもカズが「キング」と呼ばれるようになったのはいつからか。時は今から27年前、場所はカタールのドーハ。アメリカW杯アジア最終予選が行なわれていた。

 日本は初戦のサウジアラビアに引き分け、続くイランに敗れ、6チーム中最下位に沈んでいた。だが、選手は完全に切り替えていた。「3連勝すればいいんだろ」「これでドラマができる」......。

 負けたら終わりという状況で挑んだ北朝鮮戦。日本は28分、ラモス瑠偉のフリーキックをカズがヘッドで合わせて先制。さらに後半6分、森保一(現日本代表監督)が右サイドを走るカズにミドルパスを通し、グラウンダーの折り返しを中山雅史が決め2点目。さらに後半23分、右コーナーキックをカズがダイレクトボレーで決め、日本が3-0で快勝した。

 翌日の地元紙には「KING KAZU」の見出しで2ゴール1アシストを決めたカズの記事が紹介された。それから日本のメディアも「キング」という言葉を使うようになったと言われている。

「キング」で忘れられないのは「キング・シート」の存在だ。カズは日本代表でもクラブチームでも、移動のバスで座る席が決まっている。それが最後尾の左座席。その座席はいつしか「キング・シート」と呼ばれ、代表に初招集された選手が、何も知らずにその座席に座ろうとすれば、ほかの選手から「そこはカズさんの指定席だからダメだ」と、注意されるほどだった。

 カズはヨーロッパでプレーしていたときも、1993年と94年にチャリティマッチのクリスマス・スターズ(世界選抜)に選ばれたときも、移動用バスで「キング・シート」を確保していた。

 カズが日本代表から外れるようになってから、その座席に座ったのは中田英寿、本田圭佑など、なぜかチームの中心選手ばかり。本田はなぜかミラン時代も、この最後尾の左の座席に座っていた。選手にとって今もこの座席は特別なシートとなっている。